hue and cry

Archive for 11月, 2010

Tamas Wellsドキュメンタリー・ショート・フィルム続報

以前、タマス・ウェルズとイタリアの映像作家Fabrizio Polpettiniのコラボによるショート・フィルムについて書きましたが、その続報になります。

当初、アルバムのリリースに合わせて公開予定でしたが、インターネットでの完全公開はすこし先になりそうです。この作品はクリエイティヴ・コモンズ・ライセンスのもとに製作されています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのうち、表示(Attribution)、非営利(Noncommercial)、改変禁止(改変の禁止。No Derivative Works)の項目が付与されており、作家はこの作品がインターネット上で自由に閲覧配布することを望んでいます。

ではなぜ公開が遅れているのかというと、映画祭への出品の準備を行っているからで、それ次第ということらしいです。なので、いま現在、日本語の字幕を作成しているところなのですが、それができ次第、期間限定での公開を検討しています。

あるいは来月の来日公演での上映会も行えればいいなと個人的には考えています。長さは15分なので、演奏の支障になる心配もないですし。そこで初公開するのもいいかもしれないなぁ、と、やりたいことはたくさん出てくるので困りますね。

映画は『Thirty People Away』のレコーディング風景を中心に、ミャンマーでの生活などについてタマスが語るというもの。「「戦いの終わり」を意味する名の街で生まれた、決して失われないイノセンス。」とは最初にぼくがこの作品についてウェブで記したキャッチなのですが、彼にとってもはや第2の故郷とも言えるミャンマーでの生活が彼の音楽の大部分を占めるということがこの作品ではっきりと分かるようになっています。

最近、軍事政権が選挙で圧勝という白々しいニュースが届いたりもして、実際、彼とはいまメールのやりとりが満足にできない状況です。以前はメールの内容を検閲され削除されたりもしたりと、コミュニケーションがうまくとれなくて、ぼくとしてはいつももどかしく思うのですが、タマスもかの国の問題に悩まされつつも、それ以上に愛情を注いでいるのです・・・。

あの美しい歌がどのようなところで生まれるのか・・・それだけで観る価値のある作品だと思いますよ。

さらなる続報は随時お知らせいたします。乞うご期待!

関連記事:Tamas Wellsがイタリアの映像作家とコラボレーション

Tamas Wells『Thirty People Away』本日発売!〜発売したから書いておきたいこと〜

タマス・ウェルズの4作目となるニュー・アルバム『Thirty People Away』本日発売いたしました!!

ようやくです。ようやくみなさんとともにこのすばらしい作品を分かち合うことができてほんとうにうれしく思います。タマスが「スペシャル・ワン」たる最大の要素であるあの歌声があれば、タマス・ウェルズの作品はよくも悪くも成立すると言えますが、本作はメロディーとプロダクション面での成熟と純化がほんとうにすごい。

いままででもっとも聴きやすい作品であることは間違いないですが、それだけではない。「悲哀と歓喜を賛美する、この世で最も優美な歌声」と、ぼくは迷った末にそうステッカーに記しました。彼をとりまく状況や、過去のインタビュー内容からすると、『Two Years in April』のダークなムードを払拭するような作品を予想していたのですが、結局はそれを補完するような内容になっていると思います。

各所にちりばめられた宗教的なイメージが目立つように、コントロールできない何か大きなものについて歌っているようにも感じました。抽象的なリリックはより具体化され、あの小さな歌声からは強い意志が漂っています。彼が好んで使う「Grace」という言葉。「美」とも「優美さ」とも訳せますが、これは宗教的には「罪の解放」。心は小さな歌声だからこそ動かせる。本作のタマス・ウェルズの歌は祈りであり、赦しなのだと、何度も聴くうちにそう思えるようになりました。

新しい作品をリリースするたびに、気弱なぼくは「こんなにもすばらしい作品なのに人々に分かってもらえなかったら、がっかりするだろうな」といつも弱気になるのですが、今回はそいう不安はありません。作品に対する信頼、リスナーに対する信頼。それほどの作品だと思います。

もし気に入ったら、ぜひ大切なひとたちにも聴かせてあげてください。少なくともぼくは自分の好きなひとたちにはタマス・ウェルズを聴いてもらいたい。あるいはタマス・ウェルズが好きなだけで、その人を好きになる理由としては十分とも言えます(笑)

そして、ぜひ12月の来日公演にも足を運んでもらいたいと思います。彼はとにかくほんとうにうれしそうに、楽しそうに歌うんですね。それを見るだけでしあわせになれるんです。

次のブログでは、タマス・ウェルズのミャンマーでの生活をテーマにしたドキュメンタリー・ショートフィルムの続報について書きます。

- Tamas Wells 『Thirty People Away』詳細
- Tamas Wells Japan Tour 2010詳細

Tamas Wells上海でのライヴの様子

いよいよあしたリリースされるタマス・ウェルズのニュー・アルバム『Thirty People Away』。すでにお店やメールオーダーで予約いただいていたお客様への発送を終え、気分も盛り上がっているぼくですが、そんななか、上海在住のmondiiさん(彼はぼくの元上司でもあります)よりすてきな映像が届きました。


Tamas Wells – Lichen and Bees (live in Shanghai)

1分ほどの短い映像ですが、12月の来日公演を期待させるには十分な映像です。で、気づきましたか?タマスのアコギがマーティンのちゃんとしたやつになってますよ。もう「ミャンマーで800円で買った」という必殺のエピソードで笑いをとることもないのです(笑)

mondiiさんによる上海ライヴのレポートはこちら

さて、いよいよみなさんに聴いてもらえるときが来て、ほんとうにうれしいです。ほんとうに聴きごたえのある作品なので、なんども聴いてもらいたいと思います。そして、できればみなさんの大切なひとにも聴かせていただけると最高ですね。気に入ったらぜひ12月のライヴにも足を運んでください。

ニュー・アルバム『Thirty People Away』は11/11リリースです!

Tamas Wellsニュー・アルバム『Thirty People Away』入荷!

いよいよ11/11発売となるタマス・ウェルズの4thアルバム『Thirty People Away』。本日商品を入荷しました!

日本盤のみ紙ジャケ仕様なのですが、大満足の美しい仕上がりです。画像上が紙スリーヴ、下は18ページのブックレット!

さらに、liricoウェブ特典で、2008年の自由学園明日館講堂でのライヴ音源をダウンロードできるクーポンをおつけします。すでにご予約いただいているみなさまには月曜に発送する予定です。まだご予約されていない方々もすぐにチェック!!

http://www.inpartmaint.com/lirico/lirico_title/LIIP-1509.html

soso参加!Zoën初のプロデューサー・アルバム『One Night Between』

今年の3月にリリースしたhueの配信限定コンピ『Hip Hop Hums』に収録した、Andrreをフィーチャーした「Lonely Kid」が最高だったフランスのプロデューサーZoën。

彼にとって初めてのプロデューサー・アルバムがMilled Pavementより先日リリースされました。件の「Lonely Kid」はもちろん、sosoやCeschi、Noah23、Astronautalisなど、hue関連でもおなじみのMCたちをフィーチャーしています。

トラックリストは以下のとおり。

01. Bonsoir
02. Lonely Kid (ft. Andrre)
03. No Dancing (ft. Swordplay)
04. I Don’t Wanna Be (ft. Ceschi)
05. Shame (ft. Andromeda Subvert)
06. Gebrigsee (ft. Epilog)
07. Unknown Artist (ft. Soso)
08. Subduing Demons (ft. James Reindeer)
09. Shine (ft. Nabahe & Ceschi)
10. Palinedrome Night (ft. Owel Five)
11. Orange (ft. JamesPHoney)
12. Magistrate (ft. Noah23)
13. Dingue
14. Be Careful What You Wish For (ft. Astronautalis)

なかでも注目はsosoが参加した「Unknown Artist」でしょう。アルバム『Tinfoil on the Window』以降、沈黙を守っていたsosoにとってひさしぶりのラップ曲です。sosoが他人のビートに載せてラップするのはFactor以外では初めてのことなのです。つまりsosoがZoënのことを認めたってことです。

ちなみにその昔、某日本人ビートメイカーの作品でsosoにヴォーカルをお願いしたいというオファーがあったことがありますが、ぼくが「やったほうがいいよ」って無理矢理すすめたものの、「気が向かない」という理由で断った過去があります。それだけ彼が他人といっしょにコラボするのはレアなことなのです。

そして、結果的にこのコラボレーションはsosoとFactorのように抜群の相性のように思えます。緊張感のある彼のラップはあの「Birthday Song」のころを思い起こさせるほど。

Zoënは間違いなくFactorに並びうるプロデューサーだと思います。MotionlessのPierre The MotionlessやAndrromakのRomaなどとともにヨーロッパのシーンにも引き続き注目していかないと!

いつのまにやら、Milled Pavementもデジタル・オンリーになったのかな?この作品はデジタル・オンリーのようです。とりあえず、iTunesのリンクを貼っておきます。

iTunes: One Night Between – Zoen

※Bandcampでフル試聴できます。

Bandcamp: http://zoenmusic.bandcamp.com/album/one-night-between

myspace : http://www.myspace.com/zo3n

関連ブログ記事:hueニュー・コンピレーション『Hip Hop Hums』
関連ブログ記事:Zoënソロ・デビュー・アルバム

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