hue and cry

インディー・レーベル「hue」と「lirico」をめぐるいろんなことをつづるブログ

Radical Faceウェブサイト・リニューアル〜「The Family Tree」のすべて〜

3/25にニュー・アルバム『The Family Tree: The Leaves』をリリースするラディカル・フェイスのオフィシャル・ウェブサイトがリニューアルされました。

http://radicalface.com/

このサイトは「The Family Tree」シリーズの全貌を網羅する内容になっています。『The Roots』『The Branches』『The Leaves』の三部作と番外編『The Bastards』からなるこの壮大なファミリー・サーガは、ひとつの血統とその血統に交わるさまざまな悲劇をめぐる物語です。これまですべてを明かされてはいなかった全44曲のバックグラウンドの説明がこれから毎週少しずつ追加されていく予定です。

まずは第1作『The Family Tree: The Roots』から「Names / A Pound of Flesh」「Family Portrait」「Black Eyes」「Severus and Stone」「The Moon Is Down」が公開されました。

たとえば、「The Family Tree」シリーズの物語のはじまりである「Family Portrait」。これは語り手であるウィリアムと、姉のヴィクトリア、そして死んだ父と母の物語です。ウィリアムの物語は「Black Eyes」につながり、ヴィクトリアの血統は「Severus and Stone」や「The Dead Waltz」につながっていきます。
 

 
「musical mythologist」=「音楽的神話学者」とアメリカのプレスに称されたベン・クーパーの8年間の結晶がついに明らかになるときがきました。

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3/25発売 Radical Face『The Family Tree: The Leaves』、ベン・クーパーからのヒント②「Secrets (Cellar Door)」

やあ、みんな。

ニュー・アルバムからの別の曲がClashFLOODで公開されたよ。今回はオープニングトラックの「Secrets (Cellar Door)」。

この曲のバックグラウンドについて少し書くね…

この曲は「The Family Tree」シリーズのふたりのキャラクターをカバーしている。彼らは10歳のときに偶然隣人同士になった。語り手は「The Dead Waltz」のアビゲイルの家系の若いおんなのこ。彼女は幼いころ、じぶんが動物を死からよみがえらせることができる力をもっていることを発見した。彼女はともだちがいたことがなく、隣にカイルが引っ越してくるまでいつも「奇妙なおんなのこ」だった。彼女はカイルの飼い犬が死んだとき、最終的にじぶんの秘密を彼と共有する。彼女は秘密の隠れ場で犬をよみがえらせてみせる。彼女は彼に拒絶されるのがこわかったけど、驚いたことに彼はまったく動揺しない。
 

 
カイルの父親は「The Crooked Kind」の語り手で、カイルの祖父は「Kin」の語り手だ。彼の家系の他のひとたちのように、彼は死んだ親類の声を家中で聞くことができる。でもカイルの変異はさらに一歩先まで踏み込んだもので、彼は死んだ親類の姿がみえる。もし他の人と手をつなげば、そのひともみることができるようになる。
 

 

 
だからこの曲は、死者と交わることができるというじぶんたちの秘密を共有するふたりの少年少女についての話だ。
 

 
この曲のショートストーリーを用意してあるからもうすぐアップするよ。それにともだちがこの曲のミュージックビデオを作っている。またツアーの日程も1週間以内にお知らせするよ。あと新しいウェブサイトとかも。だからこれからいろいろ新しいことをお届けするよ。おかげでとても忙しい一ヶ月だった!

とにかく、楽しみにしてて。みんなが元気でありますように。

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3/25発売 Radical Face『The Family Tree: The Leaves』、ベン・クーパーからのヒント①「The Road to Nowhere」

ラディカル・フェイスの「The Family Tree」シリーズは、何度も説明したようにある家族の物語が3世代にわたって繰り広げられています。その多くがベン・クーパー自身が説明しない限りはリスナーにはその物語のつながりをすべて理解するのは難しい内容でした。今回、シリーズの完結にあたり、彼はその物語に詳しくことばを費やしはじめています。まもなく「The Family Tree」のスペシャルサイトが公開されるはずですが、3/25の『The Family Tree: The Leaves』発売するまでのあいだ、ベンがfacebookに書いたことを紹介していこうとおもいます。


やあ、みんな。

これからニュー・アルバムのリリースまでにいくつかの曲をリリースしようとおもう。そうするほうがより楽しいからね。

最初の曲は「The Road to Nowhere」。これは前作のなかの「The Gilded Hand」の続編にあたる曲だよ。「The Family Tree」シリーズすべてを通して、登場人物のなかで現れる風変わりで奇妙な変異の要因となる血統が存在する。水のうえを歩く夢遊病の少女から、死んだ親類と定期的に会話する2人の兄弟にいたるまで。でもこれにはダークサイドがある。別の家族はその血統のなかに異常な性質を持っている。しばしば奇妙なふるまいをみせるこどもたちは見捨てられ、家を追われてしまう。そして最終的には街の工業地帯で働くことを余儀なくされる。「The Gilded Hand」(金ピカの手)はこういったこどもたちに職を与え、働かせる工場経営者のニックネームなんだ。でも彼だけしかこどもたちを実験につかうことはできない。彼はこの奇妙な血統を利用して、世界を変えることにとりつかれていた。その工場に働きに出たこどもたちの多くが二度と発見されることはなかった。

 

 

「The Road to Nowhere」は同じ工場で働く少年についての話だ。彼は眠りのなかだけに現れる能力をもっている。目覚めたときたまに彼はじぶんの部屋の壁に彼自身の手で書かれたメッセージを発見する。それを書いた記憶は彼にはないが、書かれたことは常に実現する。ある朝目覚めたとき彼の手には乾いた血がついていて、床に横たわるThe Gilded Handの死体をみつけた。彼が選んだわけではなかったが、彼はそこで働かされていたすべてのこどもたちを解放した。その後、多くのこどもたちは彼を精神的指導者のようにあがめはじめた。

 

 

(略)

すべてをついにおわらせることができてよかった。8年かかったよ!バカみたいだ。

みんなが元気でありますように。

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Liricoニュー・リリース: Radical Face 『The Family Tree: The Leaves』〜 かなしみにまみれた汚れた血の物語の結末は〜

ついにこの作品の発売をアナウンスすることができてとてもうれしいです。そしてこの三部作すべてのリリースにたずさわることができて光栄におもっています。

ラディカル・フェイスことベン・クーパーが8年をかけて取り組んできた「The Family Tree」三部作の完結編『The Family Tree: The Leaves』が3/25についにリリースされます。

*詳細はこちらをご覧ください(今回、特に気合が入っています!):
http://www.inpartmaint.com/site/15540/

1800年代からはじまり1950年代にいたるまでの架空の家系「ノースコート家」をモチーフとし、アメリカの歴史とクーパー家自身の家系、そして自身の経験を絡め合わせたこのシリーズのうち、本作では1910年以降の時代をカバーしています。その時代に合った楽器を基本的に使用するというコンセプトでしたが、作品内時間が進んだここではより多くの楽器が投入され、これまででもっとも緻密に構築されたプロダクションや楽曲の展開はよりシネマティックになっています。ほとんどすべてをベンひとりで、彼のホームスタジオで作られていますが、最愛のパートナーであるヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ジョシュ・リーのおおきな貢献は先行シングルの「The Road to Nowhere」ではっきりと感じることができるでしょう。

この曲は前作収録の「The Gilded Hand」とつながっている作品です。「The Gilded Hand」と呼ばれる男(これは初耳!)が経営する工場では、奇妙なふるまいをするこどもたちがそこに送り込まれます。「「The Gilded Hand」は「奇妙な血を利用して世界を変えようとしている。工場にいった多くのこどもたちは二度と戻ってこなかった」と、ベンはfaceboookに書いています。「The Road to Nowhere」は同じ工場で働く少年のことが歌われています。眠りのなかで特殊な能力を発揮する少年がある朝目覚めると、手には乾いた血があり、「The Gilded Hand」の死体を発見した彼はこどもたちを解放する…という話。タイトルのとおり、解放された彼らはしかしどこにもたどりつきません。

アルバムのなかでもっともアップテンポで繊細な美しさと激しさが絡まり合うこの曲はインパクトを与えるには十分ですが、アルバム全体はむしろより繊細なバランスで成り立っていると言えます。

今回、上記リンク先のアルバム紹介文をとても悩みながら書き上げました。本作のオリジナルのプレスシートで明かされたベンいわく”ダークで奇妙な”過去。その意図をいかにうまく伝えることができるのかと。先入観を与えすぎる恐れがあるのでここではこれ以上は書かないでおきますが、つづきはライナーノーツに書くので、アルバムを聴いたあとにぜひ読んでいただけたらとおもいます。

これから3/25の発売日までにミュージックビデオや、「The Family Tree」シリーズを網羅するスペシャルサイトも公開される予定ですので、『The Roots』『The Branches』と、先行シングル「The Road to Nowhere」を聴きながらもうしばらくだけお待ちください。

今回、国内流通盤には昨年2月の来日ツアーのなかから、東京公演のライヴレコーディング音源のダウンロードコードをおつけすることになりました。内容はこれからベンと詰めていきますが、光明寺の音源か、2公演からよりよいテイクを集めたものになる予定です。

なお、当然のようにCDのパッケージは重厚なハードカヴァーブックタイプ仕様になりますが、今回、全世界2000枚限定の初回盤のみとなり、それ以降はデジパック仕様になるとのことなので、ぜひ確実に初回盤を手にとっていただきたいです。

よろしくお願いいたします!

Liricoニュー・リリース:Richard J. Birkin『Vigils』〜世界の終りにのどかに鳴るサッドソング〜

Liricoのニュー・リリースはイギリスの作曲家でありシンガー・ソングライターでもあるリチャード・J・バーキンのデビュー・アルバムです。元々、エンフェメトリー(emphemetry)名義でシンガー・ソングライター寄りの作品『A Lullaby Hum For Tired Streets』をリリースしたことがあるアーティストで、本人名義では映画音楽やアートプロジェクトのためのサウンドトラックを手がけてきました。

そして11/15にリリースされる『Vigils』はピアノとストリングスを中心としたみずみずしいポスト・クラシカル作品となっています。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/14838/

キリスト教の「徹夜祭の祈り」というタイトルが冠されたこの作品は、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』と、過去・現在・未来を歌ったニール・ヤングの「After The Gold Rush」の歌詞の内容を合わせたような「世界のおわり」のイメージをコンセプトにした作品とのこと。

ヨハン・ヨハンソンやダスティン・オハロランなどのライヴで活躍する実力派弦楽団イスクラ・ストリング・カルテットとデルヴェンティオ・カルテットによる弦楽四重奏に据えており、まさにダスティン・オハロランがアルバム『Lumiere』で提示していた色鮮やかなメランコリーを思い起こさせます。

ありとあらゆるサッドソングを集めてきたLiricoがこの作品をリリースするのはなぜかというと、リチャード・J・バーキンの音楽にピーター・ブロデリックの影響を強く感じたから。ピーターがポスト・クラシカルとシンガー・ソングライターの領域で活動し、時にクロスしながら枠にとらわれることなくじぶんの音楽を作るように、彼もまた同じ道をたどるような予感を感じました。もちろんエンフェメトリー名義の作品がお気に入りだったこともありますが。

こちらはアルバムのスターティングトラック「Atomhög」をライヴアレンジで演奏した映像。流麗なストリングスをヴォーカルで代用していますが、上に貼り付けたオリジナルに比べるとシンガー・ソングライター的。

そして本作唯一のヴォーカル・トラックである「Moonbathing」のすばらしさ。実際にアルバムを通して聴いていただいてはじめて伝わる類の感動なのですが、これがほんとうに美しいのです。

いまのところは弊社から同時リリースされるゴールドムンドの新作『Sometimes』にほぼ食われそうな状況ですが、個人的にはゴールドムンドと比肩する内容だと信じています。ぜひ!