hue and cry

Peter Broderick新作『These Walls of Mine』発売!

2月に意欲的なアルバム『http://www.itstartshear.com』をリリースしたピーター・ブロデリックですが、なんとことし2枚目となるニュー・アルバムをリリースしました。

ウェブ上で友人やファンとのやりとりから戯れに作っていた一連の実験的な音楽(あるいは音楽的実験)を元にして作られ、ヴォーカルと声に焦点をあてた作品。実際は『http://www.itstartshear.com』よりも古い楽曲も含まれています。彼のモダン・クラシカル路線、フォーク路線という二大軸のいずれとも違う、ヒップホップやゴスペルなどをとりいれたかなり実験的な内容となっています。

このなんとも言えないジャケ写や「Parental Advisory」の表示も彼なりのヒップホップ感とおもえば納得です。実際はまったく危ないリリックでもありません(一カ所ファックって言ってますが)。リリックは父親のポップからのメールや、インターネット上での見知らぬひととの対話を引用。しかし、レコーディングは友人のMartyn Heyneがベースを弾いている以外はすべてじぶんひとりで作っており(仲良しのNils Frahmもマスタリングのみの参加)、とてもパーソナルな作品と言えるでしょう。

こちらのヴィデオは先行で公開された「I’ve tried」のスタジオ・ヴァージョン。幼いころからずっと歌うことを愛してきたピーター・ブロデリックのコアをうかがい知ることのできるエモーショナルな曲です。「このすばらしい新世界で/唯一の守護神はきみだ/このハートのゲームで/唯一のカードはきみだ/この愛のうたで唯一の声はきみだ/そしてきみの声のなかで/あらゆる音は真実のはず/そして真実の音とともに/哀れな若さの喜びがおとずれる」と歌うリリックもいつもと違ってとてもクール。

おそらくこの作品は賛否両論となるでしょうが、パブリック・イメージや周囲の期待を常に裏切ろうとするピーター・ブロデリックの挑戦は決しておわりません。ますます輝くであろう彼のキャリアのなかでこういった類いの作品はまた生まれるとおもいますが、なんとかついていきましょう!

Peter Broderick『These Walls of Mine』詳細:http://www.inpartmaint.com/lirico/lirico_title/AMIP-0021.html

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