hue and cry

Tamas Wellsショート・インタビュー

大好評の新作『Thirty People Away』ですが、ずいぶんと前にタマス・ウェルズに訊いていた質問に対する返答が、ミャンマーのインターネットの規制や中国ツアーなどの関係で、リリース後になって返ってきました。なかなか興味深い内容だったので紹介したいと思います。ほんとはライナーノート用だったので、この内容をそこに反映できなかったのはすこし残念でもあります。

質問が少ないのは、彼の忙しさを考慮した結果、最低限の質問だっただけで、実際は訊きたいことはいっぱいあるんですよねぇ。でも、すぐに会えますし!

「Thirty People Away」は新聞の見出しかなにかを示しているものだと思ったんですが、合ってます?彼らは行方不明なのでしょうか?死んだのでしょうか?また、どうしてこれをアルバム・タイトルにしたんですか?

「Thirty People Away」という曲は今年のはじめにヤンゴンで起こった爆撃事件のことを考えたものなんだ。ぼくらの友だちが電話をかけてきて言ったんだ。立ち去るとき、爆撃のあった場所から30人くらい離れたところにいたって。彼はケガはなかったんだけど、たくさんの人たちが死んだり、ケガをしたりしたのを見た。
ある意味では、「Thirty People Away」は人生でぼくが感じていることでもある。まるでぼくが近くにいてありとあらゆる悲劇を見るかのようにね。でも同時にぼく自身もまた30人分離れた場所にいるように感じているし、あるいはどうにかそこから遠ざかっているように感じてもいるんだ。だから、それがアルバム・タイトルにふさわしいんじゃないかと思えたよ。

あなたは「You」や「I」という単語はあまり使わないように思います。でも「Your Hands into Mine」では直接的に「You」と「I」について歌っていますね。それがとても感動的でした。ぼくはこれは象徴的なことだと感じました。そのことについてお聞かせください。

ある意味、他のだれかについて歌うことでその陰に隠れるのはより簡単なことなんだ。まるで自分がたくさんのことをしたかのように、自分の気持ちを反映させてね。実際に自らをさらけ出すことだから、自分自身(「i」)を曲のなかに入れるのはとても難しいと思ってる。でも、実際もっとそうしていこうとも思ってるよ。不思議なことに、歌をリリースする人にとって、物事についてオープンでいることは実際にとても難しいことだと気づいたんだよね。

「grace(=美)」という単語はあなたの曲のいくつかで出てきますよね。「grace」とは何でしょう?「grace」についてどう思いますか?

「Grace」は誰かが愛を示してくれたり、何かを与えてくれたりするときのことを意味してるんだ。たとえ自分がそれにふさわしくないときでさえね。だからぼくは「Grace」は美しい考え方だと思うよ。それでぼくの曲のなかによく登場するんじゃないかな。奇妙に聞こえるかもしれないけど、ぼくが大人になったとき、両親がランチかディナーの前に「Grace」って言ったんだ・・・神に食べ物を感謝するようにね。西洋では食べ物とか寝る場所とかきれいな水とかシャワーとかの必要性について忘れてしまっていると思うんだ。なぜならぼくらは全部持ってるから。いつでもね。ぼくらはそれらを持つ権利があって、それにふさわしくもある。だからぼくらはそれでもう感謝しないようになるんだ。ミャンマーでの生活で、ぼくはそういった基本的な物事に対してずっと意識的になれたと思うよ。ここでは電気も食べ物も水も、ほとんどの人たちにとって必ずしも期待できないものだからね。だから、そう。「Grace」は美しい考え方だと思うんだ。期待していない、あるいは感謝の気持ちにふさわしい何かを受け取ることだよ。

Tags:

One Response to “Tamas Wellsショート・インタビュー”

  1. 11月 18th, 2010 at 17:11

    Tweets that mention hue and cry » Blog Archive » Tamas Wellsショート・インタビュー -- Topsy.com says:

    [...] This post was mentioned on Twitter by NOEL-KIT and p*dis / Inpartmaint , sin | shin ohsaki. sin | shin ohsaki said: 【ブログ更新】Tamas Wellsショート・インタビュー http://bit.ly/b5PBib #tamaswells [...]

コメントする