hue and cry

Gareth Dickson Live in Tokyo 2015

いよいよ来週からスタートするヴァシュティ・バニアンの再来日ツアー!東京公演はそろそろソールドアウトになりそうです。今回のツアーの締めは、サポート・ギタリストとして帯同するガレス・ディクソンのソロ公演!

2013年の来日ツアーから約2年。今回も幻想的なギター・サウンドを聞かせてくれるとおもいます。ニックド・ドレイク・コーナーもあるはず。

また、12kのレーベルメイトでもあるmoskitooがサポートアクトとして出演してくれます。こちらもたのしみです!

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■日時:2015年9月26日(土)14:00 開場 / 14:30 開演
■会場:世田谷美術館講堂(東京都世田谷区砧公園1−2)
■料金:前売 3,000円 / 当日 4,000円

■出演:
Gareth Dickson
opening act: moskitoo

■PA:福岡功訓(Fly sound)

■メール予約受付:Lirico(9/25まで受付)
e-mail: ticket@inpartmaint.com
(件名を「ガレス・ディクソン」とし、お名前/連絡先/人数をメールください。予約完了のメールを返信いたします。)
※携帯電話から受信する場合、上記アドレスからのメールを受信できるよう設定をお確かめ下さい。
※予約は先着順となります。定員に達した場合受付を終了とさせていただきます。

★Vashti Bunyan Japan Tour 2015
http://www.inpartmaint.com/site/13670/

Liricoニュー・リリース:Chantal Acda『The Sparkle In Our Flaws』〜欠点のなかにあるきらめき、かなしみとともに先にすすむこと〜

Liricoはこのたびスリーピングドッグとして活動していたアントワープ在住のオランダ人シンガーソングライター、シャンタル・アクダの2ndアルバムをリリースいたします。

ア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルン/スターズ・オブ・ザ・リッドのアダム・ウィルツィーとのスリーピングドッグ・プロジェクトをおわらせ、ニルス・フラーム、ピーター・ブロデリックらの協力のもとすばらしいソロ・デビュー作『Let Your Hands Be My Guide』を2013年にリリース。このたび2年ぶりのソロ・アルバムとなります。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/14030/

前作に引きつづき、ピーター・ブロデリックと、ニューヨークのマルチ・インストゥルメンタリスト、シャザード・イズメイリーによる全面的なサポートにより、ピーターの「ザ・スパークル」スタジオで作り上げられた作品。他にはヘザー・ウッズ・ブロデリックやヴァルゲイル・シグルズソンなどがゲスト参加しています。

「わたしたちの欠点のなかにあるきらめき」と冠されたこの作品によって、シャンタルはじぶん自身を救いたかったといいます。じぶんの闇と向かい合い、闇とともに生きることを肯定していくというプロセスは、奇しくもGlitterhouse Records、そしてLiricoでもレーベルメイトとなったスコット・マシューの名曲「In the End」とも重なります。シャンタルの静かな歌を聴いていると、とても穏やかな期分になれますが、この作品に満ちている慈愛のようなものは、何も言わずシャンタルを見守るピーター・ブロデリックのパーソナリティーによるもののような気がします。ピーター、ヘザーとリリースしてきて、Lirico的には2015年のピーター・ブロデリック三部作の最終章。サッドソングとともに。

ボーナストラックとして、レーベルの好意により、Glitterhouse Recordsのレーベルサンプラーがダウンロードできるようにしました。スコット・マシューやダコタ・スイートなどレーベルのサッドソング・ラインからぼくが選曲しましたが、なかなかすばらしいものになっている気がしますので、購入いただいた方はぜひそちらも!

Heather Woods Broderickニュー・アルバム

4月にリリースされたピーター・ブロデリックのアルバムに引き続き、姉のヘザー・ウッズ・ブロデリックのニュー・アルバムがついに届けられました。Preservationからの1st『From the Ground』はお気に入りの1枚だったので、新作ができた際はLiricoでなにかできればと思っていたら、なんと前作から6年も経っていました。

昨年の4月、彼女の友人でもあるラウエルソンが来日したときに「完成したばかりのヘザーのアルバムがとてもいいよ」と聞いて、ピーターづてで本人とメールしあってからもすでに1年余り。そのときはレーベルが決まっていませんでしたが、結局、Western Vinylからのリリースとなりました。

前作同様、ピーターが全面参加して作られていますが、作風には変化がみられます。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/13588/

ここ3年くらいはシャロン・ヴァン・エッテンのサポートとして世界中をツアーしまわっていて、いちおうはポートランドを拠点にしているとは言っても長年、「ホーム」がない生活をつづけていることがこの作品に影響を与えています。すれちがいばかりの人生、失った愛、こうあるべきだった自分…実直なことばで綴られる彼女の切ない物語。

前作のフォーキーさは薄れ、シンセやエレクトリック・ギター中心のプロダクションとなった本作はより深みを獲得したと言っていいでしょう。近年、信頼性のあるミュージシャンとして裏方にまわっていましたが、ソロ・アーティストとしての飛躍を期待したくなる作品です。

いつかピーターといっしょに日本に来てもらいたいものですね。

egil olsenドキュメンタリーフィルム+ライヴ映像

先月、最新作『ooo what happened』をリリースしたエギル・オルセン。

アルバムのメイキングを収めた約20分のドキュメンタリーフィルムが公開されました。「新しいアルバムをつくるにあたり、まずじぶんのスタジオを建てるところからはじめた」と、まるで「ザ!鉄腕!DASH!!」のTOKIOのようなDIY精神。だけど、もともと音楽以外にアートワークもヴィデオもひとりで作っていたので、スタジオをつくっても不思議ではありません。シンガー・ソングライターの孤独を体現するなかなかのエピソードではないでしょうか。

「これまではうわべよくみせていたけど、今回は闇を掘り返そうとした」
「これは闇や無からいかに抜け出すかということについて作品なんだ」

と、『ooo what happened』のパーソナルでダークな雰囲気について説明しています。アルバムの最後を飾る「About to Leave」のミュージックビデオというかたちでこのドキュメンタリー作品は締めくくられます。「じぶんの心をより明るくするのが怖かった。シンガー・ソングライターにとっては悪くおもえたから」と歌うエギルの複雑な心境を示唆するように、カメラは結局アルバムには収録されなかった「WHY SO SAD」という曲名をとらえます(15:20くらい)。

難産だったとおもわれるこのアルバムによりすこし近づけた気がします。

そして、一方でこちらは多幸感あるライヴ映像です。2014年の夏に行われたノルウェーのフェスØyafestivalen出演時のライヴ。ノルウェーの国営テレビ局nrkによる37分の映像。

7人編成というエギル・オルセンにとってもっとも大きな編成でのライヴです。女性コーラスふたりのうちのひとりはオペラ歌手でもある彼の奥さんが務めています。

「Singer / Songwriter」の意外性のあるはじまりにいきなり笑みがこぼれますが、日本でも披露していた彼の芸もいろいろみれて終始ニヤニヤしてしまいます。「what happened」や「good talk」あたりの新曲も披露していて、アルバムの印象とはまた違う、エギルらしいハッピーなライヴ。ぜひお時間あってもなくてもご覧いただきたいとおもいます。

特に「good talk」からバンドメンバー紹介を挟んで、『アニー』の「Tomorrow」のカヴァー(日本でもカラオケで歌ってた!)というラスト2曲がほんとうにすてき!!

The Leisure Societyニュー・アルバム『The Fine Art Of Hanging On』

奇数年の春にきっちり2年ごとに新作を届けてくれるザ・レジャー・ソサエティが4枚目となる新作『The Fine Art Of Hanging On』とともに戻ってきてくれました。

*詳細はこちらをご覧ください:http://www.inpartmaint.com/site/12429/

アルバム・タイトルは「がんばりつづけることの芸術」。10代でキャリアをスタートさせ、33歳のときにザ・レジャー・ソサエティとしてブレイクを果たしたニック・ヘミングだからこそ出てきた言葉だと言えるでしょう。

2011年の傑作2nd『Into The Murky Water』と双璧をなすと言ってもいい本作。なんといっても1曲目を飾るタイトル・トラックがほんとうに感涙必至の出来なんです。

意外なシンセのビートからはじまるこの曲は前作におけるスタート曲「Another Sunday Psalm」であり、2ndにおけるスタート曲「Into The Murky Water」と同様にザ・レジャー・ソサエティ史上の名曲。つまりはアンセムです。風通しのいいサビの高揚感は「Into The Murky Water」をおもわせますね。ちなみにトランペットは前作同様ニック・エトウェル(マムフォード&ザ・サンズ etc.)が演奏。

音楽的にはザ・キンクスなど60年代英国ロックを意識した内容の前作と比べると、それ以前のチェンバーポップ感がすこし戻ってきた印象。

内容としてはガンと闘病する親友にアルバムのデモを送り、フィードバックを得ながら書いたということで、「人生にしがみつき固執すること」をテーマにしています(ニック・ヘミングの歌詞には「cling to」(しがみつく)という単語がたまにでてきますね)。リリックはより難解ですが、いつも以上に強い覚悟をにじませている印象。

「がんばりつづけることの芸術が/ぼくらを励まし命を高めてくれる」という「The Fine Art Of Hanging On」の一節にこれから何度も助けられる予感がします。

パッケージはいつものように豪華ハードカバーブックタイプ。Owen Daveyデザインによるサイファイ絵本のようなすばらしいアートワークは強い意志の塊であり、多くのひとがこの作品のためにがんばったという証明であり、フィジカルリリースの意地でしょう。たくさんの方々に手にとっていただきたい作品です!

「春のLiricoまつり」もぜひ!

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