Archive for 10月, 2012
Peter Broderick新作『These Walls of Mine』発売!
2月に意欲的なアルバム『http://www.itstartshear.com』をリリースしたピーター・ブロデリックですが、なんとことし2枚目となるニュー・アルバムをリリースしました。
ウェブ上で友人やファンとのやりとりから戯れに作っていた一連の実験的な音楽(あるいは音楽的実験)を元にして作られ、ヴォーカルと声に焦点をあてた作品。実際は『http://www.itstartshear.com』よりも古い楽曲も含まれています。彼のモダン・クラシカル路線、フォーク路線という二大軸のいずれとも違う、ヒップホップやゴスペルなどをとりいれたかなり実験的な内容となっています。
このなんとも言えないジャケ写や「Parental Advisory」の表示も彼なりのヒップホップ感とおもえば納得です。実際はまったく危ないリリックでもありません(一カ所ファックって言ってますが)。リリックは父親のポップからのメールや、インターネット上での見知らぬひととの対話を引用。しかし、レコーディングは友人のMartyn Heyneがベースを弾いている以外はすべてじぶんひとりで作っており(仲良しのNils Frahmもマスタリングのみの参加)、とてもパーソナルな作品と言えるでしょう。
こちらのヴィデオは先行で公開された「I’ve tried」のスタジオ・ヴァージョン。幼いころからずっと歌うことを愛してきたピーター・ブロデリックのコアをうかがい知ることのできるエモーショナルな曲です。「このすばらしい新世界で/唯一の守護神はきみだ/このハートのゲームで/唯一のカードはきみだ/この愛のうたで唯一の声はきみだ/そしてきみの声のなかで/あらゆる音は真実のはず/そして真実の音とともに/哀れな若さの喜びがおとずれる」と歌うリリックもいつもと違ってとてもクール。
おそらくこの作品は賛否両論となるでしょうが、パブリック・イメージや周囲の期待を常に裏切ろうとするピーター・ブロデリックの挑戦は決しておわりません。ますます輝くであろう彼のキャリアのなかでこういった類いの作品はまた生まれるとおもいますが、なんとかついていきましょう!
Peter Broderick『These Walls of Mine』詳細:http://www.inpartmaint.com/lirico/lirico_title/AMIP-0021.html
2190 days
2006年10月15日にタマス・ウェルズの『A Plea en Vendredi』をリリースしてから6年が経ちました。そのころにはまだ名前のなかったLiricoというレーベルのこの6年間は言ってみれば「the way what i am」というか「the way how i am」というか。とにかく、リリースされた作品の一貫性をぼくは誇りにおもいます。そして、Liricoの作品やライヴを観たり聴いたりしてくれたすべての方々にお礼を申し上げます。
次の新たな1年のことをおもっても、まったくなにも見えませんが、The Leisure Society「The Hungry Years」の歌詞を引用すると、「We’ll all get somewhere somehow(なんとかしてどこかへたどり着くだろう)」。かなしい歌とともに。
Radical Face「Always Gold」ミュージック・ヴィデオ&ライヴ映像
アルバム『The Family Tree: The Roots』のリリースからちょうど1年。そのなかでもいちばんの名曲ばかりか、ラディカル・フェイスが書いた曲のなかでもおそらく1, 2を争うであろう「Always Gold」のミュージック・ヴィデオが公開されました。
家を出ていった弟と、その帰りを家で待ちつづける兄の兄弟の絆を歌ったリリックをベン・クーパー自身が映像化した映画のようなヴィデオです。例によって家族や友人とともに低予算で作ったものですが、完成度はとても高いです。
10人兄弟の長男であるベンにとって、家族や兄弟の関係性を物語として描くことの意味はとても高く、それは彼にとってライフワークです。このヴィデオも兄弟がいるものなら誰しも深い感動を覚えるのではないでしょうか。
ベンが繰り返し歌う「Everything goes away ー あらゆるものが消えてなくなる」ということばをぼくはときどき噛み締めています。
そして、この「Always Gold」の3/24の渋谷O-nestでのなつかしのライヴ映像も先日公開されました。もう半年も経ったんですね。みんな元気だといいな。
ラディカル・フェイスの今後の予定としては親友RickolusとのプロジェクトCloneのアルバムが来年の前半にはリリースされるはずです。アルバムは完成していますが、映像の製作待ちのようです。ぼくは一足先に聴かせていただけましたが、「The Family Tree」シリーズを歴史ドラマとするなら「Clone」はSF。とんでもないスケールですよ。まだしばらくかかりそうですが、たのしみにお待ちください!
【Dustin O’Halloran Japan Tour 2012】終了の報告とお礼
ご報告が遅くなりましたが、ダスティン・オハロランの来日ツアー、台風やらなにやらありましたが無事に終了いたしました。
各公演にお越しいただいたみなさまやすべての関係者の方々、ほんとうにありがとうございました。ダスティン自身、各公演の演奏や会場の雰囲気やお客様の質、また、大好きな日本食などすべてに非常に満足しており、今回のツアーを「magical」と評しました。「次はストリングス・カルテットもいれたいね」と再会を誓い合い、ベルリンへと帰っていきました。
来週からはオラフル・アルナルズ、ニルス・フラームらとともにA Winged Victory for the Sullenとして長くハードなヨーロッパ・ツアーへと旅立ちます。どの公演もほとんどソールドアウトということでヨーロッパでの人気をうかがわせますが、もしこんど日本に来ることがあれば、ますますビッグになっていることでしょう。ぼくもがんばらないと。
ダスティンは音楽も本物でしたが、人柄も抜群でした。おもに台風のせいで大変ではありましたが、いつもよりは楽しむ余裕もあったかもしれません。ただ、台風の季節にツアーを組むのは今後はやめておきます。
どうもありがとうございました。また会いましょう!
※写真はsonoriumでのもの。三田村亮さんにお借りしました。
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