深く静かな夜に、耳をすませて。 アントニオ・カルロス・ジョビンの音楽の永遠の美しさに魅了された 2人の共鳴。哀愁をまとったバンドネオンとセンチメンタルなピアノ の旋律が、優しく私たちを包み込んでくれる、夜の室内楽。
 
イタリアのバンドネオン奏者ダニエーレ・ディ・ボナヴェントゥラと、ピアニストのジョ ヴァンニ・チェッカレッリのデュオの3年振りのアルバムは、2人が敬愛するジョビ ン作品集。ゆったりとしたテンポで音の隙間や間合いを多く残した演奏は、ジョビン の楽曲の細部の美しさや余韻をさらに際立たせ、音楽の深淵へとリスナーを誘い込ん でいきます。

 

ダニエーレ・ディ・ボナヴェントゥラはイタリアのマルケ州出身のバンドネオン奏者。クラシック、ジャズ、タンゴ、現代音楽から民族音楽まで幅広く演奏し、 トランペット奏者パオロ・フレスとの共演盤をECMより 2 枚発表するなど、ジャンルを超えて活躍している。 ジョヴァンニ・チェッカレッリは同じくイタリアのマルケ州出身のピアニスト。クラシック、ジャズから南米音楽までをフィールドに、これまでに2枚のリーダー作を発表。ここ日本ではブラジルのアーティスト、ダヂを迎え制作されたプロジェクト『インヴェンタリオ』のリーダーとしても知られている。同郷の出身ながら2011年にパリで初めて出会った2人はすぐに意気投合し 2013年に、お互いの作品を提供しあったデュオ名義のアルバム『Mare calmo〜穏やかな海』を制作した。
本作『Eu te amo』は、2人が20世紀でもっとも素晴らしい音楽家と敬愛するジョビンの作品集。有名曲はあえて選ばず、このデュオで演奏する意味のある楽曲、そして2人の演奏の可能性を広げてくれる楽曲を取り上げている。
 
■アルバム・ジャケットのペインティングは、彼らの音楽のイメージをもとに近藤康平氏に描き下ろしていただいた日本盤のみのオリジナル。
 
解説:吉本宏
 
 
<収録曲>
01. O que tinha de ser – Passarim
02. Eu te amo
03. Ana Luiza
04. Chovendo na roseira
05. Modinha – Olha Maria
06. Eu nao existo sem voce
07. Brigas nunca mais
08. Luiza
09. Falando de amor
10. As praias desertas
11. Por toda a minha vida
12. Samba do aviao
13. Angela
14. Imagina
15. Estrada branca
 
 
All music composed by Antonio Carlos Jobim
Daniele di Bonaventura – Bandoneon
Giovanni Ceccarelli – Piano
 
Featuring:
Ivan Lins – Vocal on 2 / 7
Jaques Morelenbaum – Cello on 3/5/8/13
Camille Bertault – Vocal on 10
 
 
Daniele di Bonaventura & Giovanni Ceccarelli “Nadir”(2013年のアルバム『Mare calmo』より)

 
Daniele di Bonaventura & Giovanni Ceccarelli “Mare calmo”(2013年のアルバム『Mare calmo』より)