DoFの大ヒットでいま最も注目を集めるエレクトロニカ・レーベルAbandon Building Recordsを主宰し、DoFのリミキサーでもある、Set In SandことLendin Hopesのオフィシャル・デビュー・アルバム。

長年、アンダーグランドで培って来たグリッチーなビートと、アコースティック・ギターや管楽器、そしてシンセサイザーをフィーチャーしたメロディーが目映いまでの輝きを放つエレクトロニカ・サウンド。どこか古き良き時代のIDMの匂いを感じさせながらも、決してローファイに行き過ぎず、アコースティックとエレクトロニックを見事なバランスでミックスさせたポップ・アルバムに仕上がっている。今回、特筆すべきなのが、彼がプロデュースを手がけるユニットで、hueのコンピレーション『Once A Hue, Always A Hue』にも参加していたFlowtation AddviceのMootとLispのヴォーカル参加。ほとんどの曲でフィーチャーされているヴォーカルは、シュールでトリッキー、そしてリリカルでナード。まるで”Dose One ミーツ Steven Malkmus”、あるいは”Why? ミーツ Devendra Banhart”とでも言えそうな中毒性の高い楽曲は、アンチコン伝説のユニットClouddead亡き後、ずっと空席だったポジションを埋めるだけの期待感に溢れている。