Interview with Sóley + Ella Blixt

2017年12月に東京、富山、名古屋、大阪、広島、大分を廻る全7公演の合同ジャパンツアーを行なった北欧の女性アーティスト2組、アイスランドのSóley /ソーレイとスウェーデンのElla Blixt / エラ・ブリクスト(It’ A Musical, Bobby & Blumm) にツアー終了後インタビューを敢行しました!ジャパンツアーの印象からそれぞれの国の音楽シーンのことまで、今回のツアーを通じて仲良しになった2人の対談インタビューをお届けします。
 
Interviewer : Mayumi Hasegawa(from miaou)
Photo : Ryo Mitamura
 
 
*ツアー7公演を終えての感想を聞かせてください。
 
ソーレイ「日本に来て思ったのは、日本は今までの自分の環境とはぜんぜん違くて、みんなすごく礼儀正しくて時間にすごく正確だと思ったわ。例えば6時に会場がオープンしたら人々はみんな集まっている。そんなことはアイスランドはもちろん、おそらくスウェーデンでもないことよ。また音楽に対してすごく熱心だし、アーティストに対してすごくリスペクトしてくれるわね。」
 
エラ「私もそう思うわ。会場ではサウンドエンジニアにしてもプロモーターにしても、みんながいい体験をしようとする意識がすごく高いと思うわ。そんなことヨーロッパではほとんどないもの。どこに行ってもみんな温かい雰囲気で迎えてくれて本当に嬉しかったな。それと電車でいろんなところに行けたのも好きだったわ。」
 

 
*特にどこの公演が印象に残っていますか?
 
エラ「難しいわ。どこも本当に素晴らしかったの。強いて言えば小さい町の方が楽しかったかな。理由ははわからないけど、好きだったの。」
 
ソーレイ「私も同じでどこも好きだったわ。会場も人々もすごくよかった。今回のツアーはライブハウスやクラブではない場所、カフェやギャラリーとか少し変わったところでプレイしたいってお願いしていて。実際全部違うタイプの会場だったから、毎日違う印象を受けたの。だから本当に全公演楽しめたわ。」
 

 
*今回の来日は、ソーレイは2回目、エラは5回目ですが、来るたびに印象が変わったりしますか?
 
エラ「いつも違うわ。違うプロジェクトで来てるし、会場もカフェだったりライブハウスだったりするからやっぱり毎回違うわね。」
 
ソーレイ「私は2回目だからそこまで違う印象はないけれど、今回は前回よりも長く日本に滞在したし、いろんなところに行けたし、今回の方が楽しめたわ。」
 

 
*2人は10年程前に一緒にツアーしたことがあったそうだけど、10年振りにまたツアーをしてどうでしたか?
 
ソーレイ「良かったわよ!お互い今回と違うプロジェクト(ソーレイはSin Fang。エラはIt’s A Musical)だったし。10年も前だから記憶をたどらなきゃ。その時はもう一つバンドがいてとにかく大人数だったの。女性は私たち2人だけだったわね!その時はそんなに話したりしなかったけど、今回は人数も少ないし、日本スタイルで一緒の部屋に寝たりもしたし、すごく距離が近くなってよかったわね。」
 
エラ「また10年後にツアーしたいわね!」
ソーレイ「やりましょう!」
 


 
*それぞれの国の音楽シーンについてどう思いますか?
 
エラ 「正直あまりよく知らないの。たくさんのミュージシャンがいるんだけど、実際何が起こっているのか。でも、たくさんいることはいいことだと思う。スウェーデンはすごく小さな国なのに、スウェーデン以外のところで人気があるバンドもいるし。スウェーデンの人たちは音楽の流行に敏感でトレンドを追いかけるところがあって、みんながお互いフォローし合ったりして、似たような音楽が増えてしまうことがあるかもしれない。もちろんそれとは別に自分の音楽を追ってる人もいるけど。あと、いつも大きなハイプ(誇大宣伝)があって、それはあまり好きじゃないかな。」
 
ソーレイ「私は16〜22歳くらいまでmúmとかSigur Rósとかアイスランドの音楽しか聴いていなかったの。アイスランドでは今Hip Hopが流行っていて、若い人たちはみんなインスタグラムやセルフィーをやっているわ。音楽よりイメージが大事って感じであまり好きではないけど。一方でオルタナティブなシーンの音楽をしている人たちもいるわ。メインストリームに流されないで自分の音楽を追う人たち、わたしと同じくらいの年代でみんなお金はないけれど(笑) 素晴らしい人たちよ。小さなシーンだけど、わたしもその中にいるってことは本当にハッピーなことだと思うの。」
 
エラ「ちょっと言わせてもらってもいいかしら?アイスランドはみんながサポートしあっている印象があってそれが本当にうらやましいわ。小さな国だけどそれってすごくいいシーンだと思うの。」
 
ソーレイ「そうね。実際そうなんだけど、一方でお互い競争心みたいなものもあるわ。例えばあのバンドはあの国でツアーしてるのになんで自分たちはできないのか?って。そういう線引きはあるの。それでもお互いサポートし合っているのは事実ね。みんな3つくらいバンドやってて、それぞれに違う、自分の音楽をしようとしているわ。それはすごく大事なことで、例えばSigur Rósとか大きな功績を残していてすごくユニークな音楽をしているバンドがいるから、若い人たちはもっと自分の音を探していかなきゃいけないと思う。私から言わせてもらえば、スウェーデンは「ポップマシーン」だわ。たくさんの音楽プロデューサーがいて、メインストリームがあって、いい曲がいっぱいあるし、わたしもいっぱい聴いてきたわ。もちろんアンダーグラウンドのシーンもあるけど、スカンジナビアで一番のポップ王国だと思うわ。」
 


 
*今後の活動について教えてください。
 
ソーレイ「わあー。とにかく稼がなくっちゃ(笑)。日本でいっぱいお金使っちゃったから。それはおいといて、アコーディオンのアルバムと新しいソーレイのアルバムを作る予定よ。それとSindri(Sin Fang)とÖrvar Smárasonとのツアーがヨーロッパであるわ。日本にも来れたらいいな。」
 
エラ「私はもっとレコーディングをして、スウェーデンでツアーしたいと思っているの。ソロとしてのツアーは日本が最初になったから。すごくいいスタートになったけどね!」
 
 
*最後に日本のファンにメッセージをお願いします。
 
ソーレイ「ライブに来てくれてありがとう。たくさんCDやレコードを買ってくれてありがとう。みんな親切にしてくれて本当にうれしかったわ。プレゼントもありがとう!」
 
エラ「もう全部言われちゃったわね。音楽を熱心にサポートしてくれてありがとう。また会いましょうね!」