Hiroshi Ebina
“On Solitude”
ヒロシ・エビナ
『オン・ソリチュード』
2026年2月20日リリース
◆AMIP-0390 国内流通盤CD ¥3,520(税込)
◆KI-049LP 輸入LP ¥5,335(税込)
レーベル:KITCHEN. LABEL
”過剰につながりすぎた現代に、静かな距離を置く。”
日本人アンビエント・アーティストHiroshi EbinaのニューアルバムがKITCHEN. LABEL。ポスト・クラシカル、ドリーム・ポップ、ソフト・テクノを融合させた、過去作品を超える豊かな質感と動きで、静かな内省の時間を描き出す。Hinako Omori、marucoporoporoがゲスト参加。
シンガポールのKITCHEN. LABELからは3作目となるHiroshi Ebinaのニューアルバム『On Solitude』は、断絶のかすかなざわめき、デジタル過多がもたらす疲労のリズム、そして再発見された静寂の優雅さを捉えた作品である。漂うリズムと霧のようなシンセサイザーを背景に、Ebinaはアンビエントが導く内省の時間、ドリーム・テクノの明晰さ、そして自身が「ポストデジタル・ミニマリズム」と呼ぶ音楽的領域のあいだに、新たな感情の風景を描き出す。
本作は、超接続社会に対する静かな反抗として構想された。「見えないこと」を孤立ではなく再生として捉え直し、絶え間なく情報が流れ続ける世界のなかで、自身の内なる声に耳を澄ますための音楽的空間を提示する。その佇まいは、ヴィム・ヴェンダース監督作『Perfect Days』とも共鳴し、日常のルーティンに宿る詩情と軽やかさによってリズムが形づくられている。
音楽的には、本作はこれまでの作品を超え、より豊かな質感と動きを備えた領域へと踏み出している。ポスト・クラシカルの穏やかな進行、ドリーム・ポップの温もり、ソフト・テクノの淡い光が溶け合い、アルバム全体に一貫した流れと質感をもたらす。ロンドンを拠点とする日本人アーティストHinako Omoriをフィーチャーしたオープニング・トラック「The Village in the Sky」は、静かな息づかいと透明な存在感によって、本作の世界観を象徴的に提示する。続く楽曲群も、揺らぎや記憶、覚醒といった主題を簡潔なモチーフで織り込みながら、内省的な時間を紡いでいく。アルバム終盤では言葉が後景へと退き、音そのものが時間と空間を形作る。クロージング・トラック「A Silent Room」には、日本の新世代アンビエント・シーンを担うmarucoporoporoが参加。穏やかなヴォーカルが静寂に人間的な温度を与え、深い余韻とともに作品を締めくくる。
マスタリングはニューヨークのJoseph Branciforte(Greyfade Studio)が担当、アートワークは画家・益村千鶴が手掛けている。
Track list :
1. The Village in the Sky (feat. Hinako Omori)
2. Your Mind is Like the Ocean
3. For Brief Moment
4. How to Belong to Yourself
5. Saudade da Memória Perdida
6. Hush
7. One Step Closer to Awareness
8. Transience/Permanence
9. Quiescence
10. Hokokuji Bamboo Forest
11. My Mind is Like the Ocean
12. Isolation Portrait (Brooklyn, NY)
13. A Silent Room (feat. marucoporoporo)
Hiroshi Ebina
ヒロシ・エビナ
東京在住のサウンドアーティスト。活動は多岐に渡り、アンビエントミュージックの作曲・演奏や、雅楽奏者としての活動、フィルムカメラを用いた写真作品の作成も行なっている。ニューヨークでの活動を経て、2018年より日本での活動を再開。作曲にはモジュラーシンセを中心にテープマシンや多種多様なアコースティック楽器を用いる。
「偶発性」はHiroshi Ebinaの音楽を語る上で欠かすことのできない要素である。真白の紙の上に点や線を広げるように音と並べていき、法則を与えることで音楽を形作っていくプロセスを取っている。作曲の際はリズムやピッチといった側面だけでなく、音の触感や音と音との間の無音部分などを重視している。宗教学の修士号を持つHiroshi Ebinaの作品は、禅宗や精神世界にインスパイアされたテーマを探求することが多い。
2018年からはKITCHEN. LABEL、Mystery Circles、Seil Recordsなど、世界中の複数のレーベルから作品をリリースしている。2024年9月にはシンガポールのKITCHEN. LABELから6作目のソロアルバム “Into the Darkness of the Night” をリリース。ソロアルバムをリリースする傍ら、Hinako Omori、Tobias Wilden、IDRA、Kin Leonn、Erland Cooperらアーティストとのコラボレーションや、国内外の企業向けのクライアントワークに携わるなど、精力的に活動している。また、ニューヨーク、東京、ソウル、シンガポールなど複数の都市や国でパフォーマンスを行い、Aspidistrafly、 Meitei、Khotin、Emily A. Sprague、Cool Maritimeといった国際的なアーティストと頻繁にステージを共にしている。
2025年2月から4月にかけて、KITCEHN. LABELでリリースされた2枚のアンビエント・アルバムをフィーチャーしたインスタレーションをシンガポールのArtScience Museumで展示。インスタレーションは音と精神の領域に踏み込み、その静謐な音色を通して来場者に安らぎを与えた。
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