ヴァシュティ・バニアンを彷彿させるハートウォーミングな歌声、そしてミニマルなクラシック・ハープと繊細な電子音が奏でるふんわりとチャーミングなアンサンブル。
英国ネオ・フォークシーンに現れたハープの女性シンガーソングライターが綴る、25歳の女の子のリアリティーを溶け込ませた小さな小さなフェアリーテイル。

セラフィナは、どんなジャンルの音楽にも対応できる高度なハープのテクニックで、タン、シベーリ、アーデム、ジェームス・ヨークストン(ex:ベータバンド)など様々なアーティストのライブやレコーディングに引っ張りだこのハーピスト。また、ケイト・ブッシュやローリー・アンダーソン、ペンギンカフェ・オーケストラに影響を受けたというセラフィナの音楽性は、しっかりとしたクラシックの素養と共に、実験性やパンク精神も垣間見せ、独自の個性を放つシンガーソングライターである。

その彼女が昨年リリースした、英Static Caravanレーベルからの7インチ「Peach Heart」は、ロンドンのレコード店「ピカデリーレコーズ」のシングル・オブ・ザ・ウィークに選ばれ、英ラジオ局BBCの様々な番組でのエアプレイ他、イギリス各メディアから注目を浴び始めた。

共同プロデュースにTunngのマイク・リンゼイとCapitol Kが参加し、ブライアン・イーノ「By This River」の美しいカヴァー曲から始まるセラフィナのデビューアルバム。彼らの繊細なエレクトロニクスの魔法で、彼女のミニマルなハープサウンドと暖かな歌声、そして独創的で美しいメロディーを、より深みと広がりのあるドリーミーな音世界に仕上げている。そして、一見、かわいらしくチャーミングに聞こえる楽曲の中では、セラフィナの日常や恋愛体験が、時に言葉を荒げ、時にセクシャルな表現を使った25歳の女の子の気持ちと、おとぎ話を融合させたような不思議な詞の世界が広がっている。

また、本作にはセラフィナの兄が制作したかわいいストップ・モーション・アニメ「Tiger」が収録されている。そして、日本盤のみのボーナストラックとしてHoagy Carmichaelの名曲「I get along without you very well」のカヴァーを収録。

ヴァシュティ・バニアン、ブリジット・セント・ジョンなど英国女性トラッド・フォークファンから、タン、ココロージー等の新世代フォーク・ミュージック~エレクトロニカファンまで幅広い層にオススメしたい一枚。

 

セラフィナ・ステアーは彼女独自のクラシックハープの演奏で、驚くほど美しくオリジナルな曲を作って歌う。彼女は新しいソングライターの中でも僕のお気に入りの1人だよ。
<Sam Genders / Tunng>

 

セラフィナがいなかったら、私の音楽的なハートは退屈で死んでしまっていたでしょう。このレディーはハープを弾く詩人。そして、その歌声の中にある感情は、彼女自身を同時に強く、美しく、傷つきやすいものにする。絶対に彼女の世界を訪れてみてください。
<Cibelle>

 

※映像トラック“Tiger”収録(Quick Time方式)
※歌詞・対訳/ライナー付:解説 福田教雄(map)
Tracks:
01: by this river
02: uncomfortable
03: tiger
04: peach heart
05: dawn chorus
06: like like a bird on a wire
07: cheap demo bad science
08: roundabout horse
09: council flat
10: seven bridge
11: curses curses
12: I get along without you very well (except sometimes)*
*Bonus track for Japan only