ワールドスタンダードの2020年代作品が配信スタート!
2021年に発表した13枚目のアルバム『エデン』、2022年のキャリア初のライヴ・アルバム『UTAU KANADERU』、そしてアナログ・レコード限定でリリースされた14枚目のアルバム『ポエジア… 刻印された時間』の3作品が、9月26日より各配信プラットフォームにて待望の解禁。
コロナ突入・自粛時期に作られた、重要な3枚のアルバムが配信解禁されます。ほとんどの音楽家が活動を制され、同時に制作モチベーションを維持することが難しくなったこの季節。ぼくは次々とアルバムを作りました。「ここで止まってしまうのなら、今まで何のために音楽を作ってきたのか」と思ったのでした。
(鈴木惣一朗)
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エデン(Eden)
2021年11月27日リリース
レーベル:Stella
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これまでのワールドスタンダードの音楽に流れる水脈はそのままに、鈴木惣一朗と松本従子の歌、メランコリックなギター、繊細なストリングスが溶け合う音世界は、あのカエターノ&ガルの名盤『ドミンゴ』のよう。それは、聴く人を圧倒するのではなく、優しく寄り添うような音楽。
2020年に始まったパンデミック以降、迷いながらも音楽を作り続けた音楽家がたどり着いた、内なる音楽の楽園〜エデン。「このアルバムには、いわゆる明るい歌はひとつもありません。けれども、ぼくは<ぼくの青空>を描いてみました。みなさんのこころにも青空がのぞくことを祈りつつ。」と鈴木惣一朗が語るとおり、収められた珠玉の8曲は、悲しげな旋律や音色のむこうに、希望や明るい余韻を残します。まるでブルースやショーロがそうであるように。
前作『色彩音楽』と同じく、アートワークは全て、気鋭のイラストレイター/グラフィック・デザイナー横山雄によるもの。
<収録曲>
01. 夕なぎ
02. 浮雲
03. ひとしきりの哀しみ
04. マロニエ
05. 花はどこへ行った
06. 生きようとする力
07. おるもすとふる
08. 雨を読む
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UTAU KANADERU
2022年5月31日リリース
レーベル:Stella
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2022年4月、10年振りに開催したフル編成でのライヴ『理想郷』の模様を収めた、14枚目にして初のライヴ・アルバム。
鈴木惣一朗(歌/クラシック・ギター)の元に集ったミュージシャンは、松本従子(歌/アコーディオン)、山本哲也(シンセサイザー/サウンド・エフェクト)、 安宅浩司(マンドリン/バンジョー/ペダル・スティール・ギター)、武嶋聡(サックス/フルート/クラリネット)、白佐武史(チェロ)、ガリバー鈴木(コントラバス)。
パンデミックの戸惑いと空しさの雲の下で、”ぼくの青い空”を音楽で描いた『色彩音楽』と『エデン』という2枚のアルバムからのレパートリーを中心に、長年演奏を共にしてきた彼らが歌い奏でた音楽。それは、ライヴの日の朝から降り続いた雨のように、優しく暖かに会場の人々を包み込みました。
初のライヴ・アルバムとなる本作は、再び仲間やオーディエンスと音楽を共有し、希望が生まれる場所にしたいという願いを音楽にのせて伝えた、この日、この時代の大切な記録。
<収録曲>
01. 物語の扉~朗読<空の青さ>
02. 月は甘く苦く
03. マロニエ
04. 遠い声 遠い部屋
05. ラツィオの花
06. 浮雲
07. 雪と花の子守唄
08. 生きようとする力
09. ナガレユクモノ
10. 夕なぎ
11. ひとしきりの哀しみ
12. ステラ
歌と演奏 ワールドスタンダード
歌、クラシック・ギター 鈴木惣一朗
歌、アコーディオン 松本従子
シンセサイザー、サウンド・エフェクト 山本哲也
バンジョー、マンドリン、ペダル・スティール・ギター 安宅浩司
サックス、フルート、クラリネット 武嶋聡
チェロ 白佐武史
コントラバス ガリバー鈴木
会場:WWW(2022年4月14日)
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ポエジア… 刻印された時間(Poesia)
2023年3月25日リリース
レーベル:Stella
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アナログ盤限定でのリリースされた14枚目のアルバム。
1985年のデビュー以降、鈴木惣一朗が仲間とともに奏でる音楽は、変遷をくり返し、移ろいゆくシーンのなかにあって、ゆっくりと時を刻んできました。14枚目のアルバム『ポエジア… 刻まれた時間』は、「歌のある環境音楽」を意識して作られました。ピアノ、シンセ、クラリネット、チェロ、アコーディオン、ペダル・スティール、コントラバス、そして声とギターなど、さまざまな音と音が溶け合い、胸を打つ旋律が重なるアンサンブルに、細かな仕掛けが隠された、ワールドスタンダードならではの音楽。
ラテン語でレコードには「こころを呼び戻す」という意味もあるように、音楽が刻む時を聴くことで、日常を取り戻してほしいという鈴木惣一朗の願いがこめられています。アートワークは『色彩音楽』『エデン』に続いて横山雄が担当し、ここに3部作が完成しました。
<収録曲>
01. ただそこにあるもの / It’s Just There
02. 愛はふかく / Deeper Is Our Love
03. こどもの頃 / Childhood
04. ロマンス – フランツ・カシウスに捧ぐ / Romance – Dedicated to Franz Casseus
05. 嵐が丘 / Wuthering Heights
06. 夕暮れの花のように / Like The Twilight Flowers
07. 名もなき兵士たちへ / To Unknown Soldiers
08. サラバンド / Sarabande
鈴木惣一朗
1959年、浜松生まれ。音楽家。83年にインストゥルメンタル主体のポップグループ「ワールドスタンダード」を結成し、85年に細野晴臣プロデュースでノン・スタンダード・レーベルよりデビュー。1996年に細野晴臣が設立したレーベル「Daisyworld Discs」に移籍し、2010年までに6枚のアルバムを発表。そのうち「ディスカヴァー・アメリカ3部作」は、デヴィッド・バーンやヴァン・ダイク・パークスからも絶賛されるなど、充実したディスコグラフィーを残した。2011年、自らレーベル「Stella」を設立。同年に発生した東日本大震災後の日々を経て、鎮魂の祈りを込めた10枚目のアルバム『みんなおやすみ』を発表した。その後、ワールドスタンダードとしての活動は休止し、プロデューサー/執筆を中心に活動。デビュー35周年を迎えた2020年に10年ぶり12枚目のオリジナル・フル・アルバム『色彩音楽』を、続いて2021年に13枚目のアルバム『エデン』をリリース、同時に過去の全作品を全世界での配信を解禁。2022年4月には10年ぶりのライヴ「理想郷」を渋谷WWWで開催。2023年に14枚目のアルバム『ポエジア… 刻印された時間』を初のアナログ盤のみでリリース。今年でデビュー40周年を迎えその活動はさらに充実し、アシッド&トラディショナル・フォーク、南米音楽、トーチ・ソング、ミニマル、サイケデリア、室内楽から民族音楽まで吸収した音楽性が、ジャンルと世代を超えて支持されている。
プロデューサーとしては、程壁(チェン・ビー)、南壽あさ子、ハナレグミ、ビューティフル・ハミングバード、中納良恵、湯川潮音、羊毛とおはな等、多くのアーティストを手掛けた。2013年、直枝政広(カーネーション)とSoggy Cheeriosを結成。
執筆活動や書籍も多数。95年刊行の『モンド・ミュージック』は、ラウンジ・ブームの火付け役となった。細野晴臣との共著に『とまっていた時計がまたうごきはじめた』(平凡社)『細野晴臣 録音術 ぼくらはこうして音を作ってきた』(DU BOOKS)。ビートルズ関係では『マッカートニー・ミュージック~ポール。音楽。そのすべて。』(音楽出版社)。「耳鳴りに悩んだ音楽家がつくったCDブック」(DU BOOKS)などがある。
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