まるで柔らかい水に身を浸すかのような57分間。
心の「内なる扉」を開放し世界と繋がるアンビエント・ポップ
coconoe(ココノエ )の2ndアルバム
『イルカは長い夢をみる』リリース!

生きるために何が必要か、何が最優先か、そんな問いの中でささやかな音楽など、掻き消されてしまいがちな今。その中で愛しむべき小さな音を丁寧にすくい取り、音楽家としての静かな営みを止めないcoconoe (ココノエ)の、自粛期間中から制作された2ndアルバム『イルカは長い夢をみる』。

彼らの特徴である、日常音や楽器以外の音の生み出す彩や、アンビエントミュージックに不思議にマッチしたボーカルが前作『或る日のhalo』同様に楽しめる。それに加え今回は、元来楽器の優れたプレイヤーであるメンバーの強みを生かし、インプロビゼーション的要素を多く取り入れており、その場の空気や偶然をそのままパッケージした呼吸を感じる仕上がりとなっている。グラスの音など、生活から生まれる聞き覚えのある音のカケラたちと、漂うような日本語のリリック、オーラブル・アルナルズ的なミュートピアノ、カセットMTRを使用した独特の歪みのある音色、それらの全てが、なんとも言えない安心感と少しの切なさを含んだノスタルジーを生んでいる。

1曲あたり10~15分の長尺にも関わらず、決して退屈さを感じさせないのは何故だろう。日本に数台しかないレア楽器・アレイムビラや人の声などから手作りされた暖かみのある音色のドローン的要素も手伝って、アルバムを通して存在している大きく包み込む何かが、すんなりと身を委ねさせてくれる。
簡単ではなくなった日常だけど、心の『内なる扉』をそっとひらけば、実は広い世界と繋がった場所があるのだ。自然と共にめぐる季節・想い出・豊かな生命がそこにあることを思い出させてくれるアルバム。
ただただ、心とからだを浸してみて欲しい。

 

Tracklist
1.イルカは長い夢をみる – The Dolphins’ Long Dream – 15:12
2.夏にたゆたう – Adrift in Summer – 10:21
3.太陽の階段 – Stairway to the Sun – 15:25
4.朝露 – Morning Dew – 15:20