“ピーター・ブロデリック × アーサー・ラッセル”
偶然と運命がもたらした珠玉のカヴァー・アルバム
アーサー・ラッセル未発表2曲のカヴァーも収録

デビューから10年が過ぎ30歳を越え、円熟期に突入した鬼才ピーター・ブロデリックによる渾身のプロジェクト。彼にとって偉大なヒーローである故アーサー・ラッセルによる楽曲のみで構成したカヴァー・アルバム。
 
このプロジェクトのはじまりはエフタークラングのバンドメイトだったラスマス・ストールバーグからの誘いでした。彼が主宰するラジオ局「The Lake Radio」が2017年夏に新たにはじめたデンマークの音楽フェスティヴァル「Badesøen Festival」への出演オファーは、「Peter Broderick sings Arthur Russell」、つまりアーサー・ラッセルの曲だけを演奏するセットというスペシャルな内容。デンマークのミュージシャンがバックアップしたこのはじめての試みは高い評価を得て、その後「アーサー・ラッセル・セット」のオファーはいくつも彼のもとに届くようになりました。そのパフォーマンスに注目したアーサーの生涯最期のパートナーだったトム・リーとの出会いをきっかけに、彼はアーサー・ラッセルの残された未発表音源のアーカイヴの調査と復元に参加。その過程において、アーサーの現存する家族とも友人になりました。
 
何時間もかけてアーサー・ラッセルの世に出ていない作品を聴き、自らのヒーローの魂を深く掘り下げていくことでどんどん膨れ上がっていったピーター・ブロデリックのアーサー・ラッセル愛。その結果作られたこのカヴァー・アルバムには彼の妻であるアイルランド人シンガー・ソングライター、ブリジッド・メイ・パワーをはじめ、家族や友人たちが参加していますが、アーサー・ラッセルの姪のレイチェル・ヘンリーと甥のボー・リジーも参加しています。レコーディングはピーターが生まれ、アーサーの残された家族が住むメイン州で行われました。またアートワークに使用された絵は前述のトム・リーの手によるものであり、この作品をよりスペシャルなものにしていると言えるでしょう。
 
ポスト・クラシカルを主軸に、作品ごとにフォークやアンビエントからエレクトロニカまで非常に幅広い音楽性を展開してきましたが、本作では彼が長年過ごしたオレゴン州ポートランドが育んだフォーキーな歌心を存分に活かして、アーサー・ラッセルの音楽を独自の解釈で演奏し、歌い上げています。また普通のカヴァー・アルバムとこの作品が違う点は、オリジナルの作者の未発表作品が演奏されていること。つまりピーター・ブロデリックがアーサー・ラッセルへの深い愛情と尊敬を込めた10曲のうちの2曲(最初と最後を飾る「Words Of Love」と「You Are My Love」)はアーサー・ラッセルの未発表曲です。アーサーの残された家族の公認と祝福を得て、ピーターは眠っていた作品を自分の声と演奏ではじめてこの世界に届けてくれます。
 
本作品のCDは日本のみのリリース。LPは本作の共同プロデューサーも務めたピーター・マクラフリンのレーベルPretty Purgatoryより限定リリースされます。日本盤のみ2017年のBadesøen Festivalでのライヴ音源2曲のダウンロードコードつき。
 
 

 

Tracklist
1. Words Of Love
2. Come To Life
3. I Couldn’t Say It To Your Face
4. That’s Us/Wild Combination
5. You Can Make Me Feel Bad
6. Ballad Of The Lights
7. Eli
8. Losing My Taste For The Nightlife
9. A Little Lost
10. You Are My Love
 
All songs written by Charles Arthur Russell Jr.