ブリティッシュ・フォークのレジェンド、ヴァシュティ・バニアンが前作から9年振りに、初のセルフ・プロデュースによるサード・アルバムを完成!音楽に対するヴァシュティの純粋な意思の力が生み出した、40年以上のキャリアのピークを証明する、圧倒的に優しく、圧倒的に美しいラスト・アルバム。

前作『Lookaftering』から9年、伝説のブリティッシュ・シンガーソングライター、ヴァシュティ・バニアンが待望のサード・アルバムを完成。初のセルフ・プロデュースとなる珠玉の10曲が収録された本作『Heartleap』、ヴァシュティはこれをラスト・アルバムにすると固く心に決めている。
 
1970年発表の1stアルバム『Just Another Diamond Day』(以下、『JADD』)が幻の名盤として語り継がれ、2000年頃にフリー・フォークのルーツとして再評価の声が高まり、2005年にはDevendra BanhartやJoanna Newsomらが参加した2ndアルバム『Lookaftering』で35年ぶりに奇跡的な復活を果たしたイギリス人女性シンガーソングライター、ヴァシュティ・バニアン。『JADD』はJoe Boydがプロダクション、Robert Kirbyがアレンジを担当し、『Lookaftering』はMax Richterのプロダクションをヴァシュティと豪華なサポートアクトが一緒に磨き上げた作品だったが、本作『Heartleap』は作詞・作曲、アレンジ、演奏、レコーディングの全ての過程を彼女自身が初めてコントロールした、セルフ・プロデュース作品となっている。
 
「…『JADD』よりもっと前の、本当に初期の録音物に近いものにしたいと思いました。誰かの庇護から抜け出て、自分一人でやってみたかったのです。」とヴァシュティが語るように、レコーディングの大部分は彼女のエディンバラにある自宅スタジオで一人で行われた。一人であるメリットを生かして、彼女のペースでゆっくりと愛情を込めながらトラックを紡ぎ上げていくことができたという。しかし、片手でしかピアノが弾けないため、片手で弾いた複数のテイクからキーボードのパートを組み立てたりと、一人でレコーディングする術を忍耐強く習得することが必要だった。それでも彼女の頭の中にある音楽がやっと彼女自身でレコーディング出来るようになったことを非常に楽しんだという。
 
ヴァシュティの変わらぬハートウォーミングなウィスパー・ヴォイスを、ギターやピアノでリードしながらキーボードやストリングスのアレンジでふわっと包んだ、箱庭のように可憐なサウンドは、これまでのアルバムの中で最もパーソナルで親密な美しさを放ち、(ストリングスには前作から引き続きFiona Brice、Ian Burdge、Gillon Cameronらが参加。またヴァシュティと交流の深い Gareth Dickson、Jo Mango、Devendra Banhartらもギター、カリンバ、コーラスなどで数曲ゲスト参加。)また、家族や友達、人生や愛、夢や現実の物語を簡潔に綴った歌詞の正直で身近な表現にぐっと引込まれることだろう。ヴァシュティの純粋な意志の力と努力から誕生したこの『Heartleap』は、まぎれもなく彼女のアーティストとしてのピークを証明するアルバムとなった。
 
アルバムのアートワークのシカの絵(題:”Hart’s Leap”(牡鹿の跳躍))は、前作『Lookaftering』から引き続きヴァシュティの娘ウィン・ルイスが担当。『Lookaftering』で描かれた野うさぎと対になるような印象を与えている。

 

Track listing:
 
01. Across The Water
02. Holy Smoke
03. Mother
04. Jellyfish
05. Shell
06. The Boy
07. Gunpowder
08. Blue Shed
09. Here
10. Heartleap