|
テキスト_堂前 茜(BARFOUT!) Text by Akane Domae
一定の場所にピントを合わせカメラを固定し、移ろいゆく流れだけを高速で再生してみると、いつもと同じ場所でも違って見えるもので、喩えるとmiaouの音楽はそんな風に、時間や人の流れを歪めさせたり綺麗に見せたりする力がある。再び聴く時にはもう違った景色となってしまっているのだが。ポストロック〜プログレ〜サントラ〜サイケを飲み込んだこの3人組によるミニ・アルバム『painted e.p.』は、過ぎ去って行く一瞬一瞬を見事に閉じ込めた美しい作品だ。
ハマサキ タツキ(G & Syn) ソニック・ユースが好きだったのもあって、最初はこんなにキレイな感じじゃなくもっと荒々しくて、“ノイズ垂れ流し”みたいなバンドだったんですよ。どっちかと言うとアヴァンギャルドだったかも。
barf そこから音響的なサウンドに行ったのは何かきっかけがあったんですか?
ハセガワ マユミ(以下マユミ/B & Syn) やっぱりトータスとかですかね。
ハマサキ うん、バンドとしてはトータスに影響を受けたかもしれないですね。
barf 今回エンジニアでtoeの美濃さんが参加されてますが、toeをはじめこのシーンにさまざまなバンドがいる中で、miaouの強みって何だと思いますか?
ハマサキ そうですね……うちらはテクニックとかはなく(苦笑)、曲構成とかメロディじゃないかと思います。
barf メロディ本当に美しいですよね。1曲の中に幾つも山があって飽きない。
ハマサキ そこは意識して作っていますね。1曲の尺が7、8分と長いから、あんまりミニマル過ぎると飽きるんですよね。だから山を作ったり谷を作ったりっていうのを意図的にやってますね。
barf 「オリジナリティを確立する」ってことに対してはどう考えてますか?
ハマサキ 最初はやっぱりこのジャンル、迷いましたね。インストでどこまでうちらの色を出せるのかなて。ライヴハウスの人に、「インストで自分達の色を出すのは難しいよ」って言われたりもして。けどいろいろやってて自然と出てくるのがメロウなものだったので、だからそこを突き詰めていきたいなと思いますね。
barf かと言ってメロディが大げさでも押し付けがましくもなくていいなと。あと楽曲の“流れ”がすごく気持ちいい。
ハマサキ 自然な流れと言うか、僕車に乗ってて思いつくことが多いんですけど、車を運転してて気持ちよくなるものって考えて作ってるかもしれないですね。
barf 今回はエレクトロニクスの要素もけっこう強いと思うんですけど。
ハマサキ そこは意識して作ったんですよ。アイデアとしてもあったし。
barf それはまたどうして?
ハマサキ 単に僕がエレクトロニカを聴き始めたっていう(笑)。アイ・アム・ロボット・アンド・プラウドとか。あとはその辺を聴いてて、生音といっしょにやったらもっといいんじゃないかって思ったりしていたので。エレクトロニカだけやるとエレクトロニカになっちゃうし。
barf 今後どうなっていきたいですか?
ハセガワヒロミ(D) フレーズを聴いたら「これmiaou の人かな?」って思われるよう、自分の色がドラムで出せたらなぁって。“miaou節”じゃないですけど、各楽器でそういう色が出せていければなあって思います。
ハマサキ ライヴでも外人の反応がけっこういいんですけど、もっと海外の人にも聴いてもらえたらなあって。大袈裟に言うと世界的にもっと出したいですね。
(2006年9月16日/渋谷にて)
|