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FEATURE


65DAYSOFSTATIC×中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)対談

65DAYSOFSTATIC×中野雅之(BOOM BOOM SATELLITES)対談
企画:BARFOUT!
テキスト:柴 那典 Text by Tomonori Shiba 


かたや日本が世界に誇るエレクトリック・ロックンロール・バンド、BOOM BOOM SATELLITES。かたや「モグワイ+エイフェックス・ツイン」なサウンドで注目を集めているイギリスのポスト・ロック・バンド、65 DAYSOFSTATIC(以下65dos)。初対面となる2組だったけれど、その音楽に対する姿勢・志の高さが互いに共通するものであることが伝わる対談になったと思う。ちなみに、バンド結成前から憧れの存在だったというブンブンの中野さんを前に、65dosの二人はかなり緊張していた様子でした。


barf 65dosの2人は元々BOOM BOOM SATELLITESのファンだったんですよね。最初にブンブンを知ったはいつ頃のことだったんでしょう?

ポール(G & Programming)  6年くらい前にシェフィールドで初めてライヴを観たんだけど……ほんと、すごく興奮したんだ。なぜかっていうと、当時はまだ65dosがまだバンドとして結成されていなくて、ちょうど4人で集まってこういう音楽を始めようとしてたところで……僕自身、打ち込みのエレクトロ・ミュージックとギターの融合っていうことを考えていたから、すごい感銘を受けたんだよね。


barf 中野さんもその頃のことを覚えていますか?

中野 覚えてますね。UKでツアーをやり始めたのはその頃ですから。で、シェフィールドという街の印象がまた良くて。学生が集まっている街で、〈WARP〉というレーベルもあって。街自体のムードに、クレヴァーな部分とホットな部分と両方持ち合わせてるようなところがあって、すごく印象的だったんで。


barf 中野さんが最初に65dosの音を聴いたときの印象っていうのはどんな感じでしたか?

中野 ギター・サウンドとか、ドラムンベースのブレイクビーツの手法とか……今までUKで生まれてきた音楽がクロスオーヴァーしているっていう、すごくピュアなUK産の音楽っていう感じがあって。で、やっぱりとてもエモーショナルだったし、印象的でしたね。

ジョー(G) (日本語で)アリガト!(笑)。


barf 現在のUKの音楽シーンの中で、65dosの理解者は多いと思います? それとも少ないですか?

ジョー 徐々には増えてきてはいるけど、これからもっと自分たちで努力をして増やしていきたいね。

ポール でも、イギリスの音楽シーンって、シンプルなポップ・ミュージックの路線から逸脱したものに対して、すごく閉鎖的なんだよ。

中野 日本もそれは基本的には同じで。80%〜90%がポップスなんですよね。ロックでも、基本的にはポップスとして扱えるぐらいのものがどうしても中心になってきちゃうし。アメリカでもそうなんだろうと思うけど。でも、例えば『SUMMER SONIC』に出たら、そこに集まってくるオーディエンスはそれ以外の何かを求めてくるわけで。それをどれだけ大きくしていけるかっていうのは、自分たちクリエイターの使命みたいなものだからね。


barf 65dosの2人は、その辺はどう思います?

ジョー 僕らのやってる音楽って、自分たち自身ではポップ・ミュージックだと思うんだ。ただ、その種類が違うっていうだけで。あくまでポップ・ミュージックの枠のなかにはあるものだと思う。

中野 ああ、それはすごくよく分かるな。

ポール 耳に残るグッド・メロディと3〜5分間の簡潔な曲の構成っていうのが、やっぱりポップ・ミュージックの大きな要素だし。そういうものは自分たちの音楽には間違いなく必要なものだと思ってるから。

中野 自分の音楽がポップであるっていうのを信じているっていうのは、僕もすごく大事なことだと思いますね。もし自分の音楽がポピュラリティのないものであったら、オーディエンスとの接点を見失ってしまうから。そういう、オーディエンスと繋がっているという気持ちを信じるっていうことは、自分が音楽を続けていくっていう上ですごく大事なことだと思う。

ジョー うん、うん。自分たちにとっても、音楽を作る時にオーディエンスがいるということを忘れずにいることは非常に大事なことだと思うんで。同じですね。


barf ブンブンも65dosも、ライヴでは非常に肉体的なパフォーマンスになっているじゃないですか。それは、そういう風に自然になっていったんでしょうか? 

ポール 自分たちが演奏している時に、何か意識して演じているということは1度もないよ。ライヴをやる度に、毎回「これが自分たちの最後のショーになるんだ」って言い聞かせてやっている部分はあるけどね。自分の音楽を信じて全力でやっているから、きっとそういうパフォーマンスになってるんだと思う。

中野 僕はそうだなあ……自然体でやってますね(笑)。

ポール そうそう! どんなバンドであっても、ライヴは何かを装ったり演技したりしてやるものではなくて、自然にやるべきだっていうのは僕らも思ってますね。


barf 両バンドとも、ステージで生ドラムと打ち込みのビートを同期させてますよね。普通のバンドと比べて、技術的な難易度も高いんじゃないかと思うんですけど。

ポール いや、すごくいいドラマーがいるから(笑)。ドラマーに助けられてるんだよね。エレクトロニクスのほうが彼に合わせて演奏しているみたいな(笑)。

中野 僕らも優秀なドラマーがいるからね(笑)。ただ、練習に時間をいっぱい取って、エレクトロニックを、それにコントロールされるんじゃなく、自分たちでコントロール出来るようにするっていう鍛錬は必要だと思う。

ポール 僕らもすごく練習はするよ。打ち込みと同期させるところもあるし、逆にドラマーが即興で叩くところもあるけど。僕らとしては、BOOM BOOM SATELLITESがどういう風にエレクトリック・サウンドを作り出しているかすごく興味があるんですけど。

中野 でも、そんなに難しいことはしてないですよ(笑)。

ポール すごく難しく聴こえるんですよ!(笑)

中野 いやいや。僕にも彼らのビートは難しく聴こえるところはあって。どっちがシーケンスで、どっちが生ドラムかわからなくなるときとかがあったりするし。

ジョー それはよかった!(笑)。生ドラムとシーケンスを完全に一致させて、どっちがどっちか区別がつかなくするっていうのが目指すところなんで。

barf では、それぞれ、サマーソニックでのライヴの感想を訊きたいんですけれども。どうでした?

ジョー 今まで経験した中でも1番大きなライヴだったし、忘れがたいライヴになったと思う。あれだけ多くの人たちが自分たちのライヴを観てくれているっていうのが衝撃で。若干、戸惑いを隠せないところもあるんだよね。

中野 僕も、良かったですね。『SUMMER SONIC』は2回目なんだけど、お客さんもいっぱい入ったし。


barf ブンブンは、ライヴではCDからアレンジや曲構成をかなり変えてきますよね。65dosもそうだし、そこにも共通点がありますよね。

中野 うん。やっぱり、ただCDになったものを再現するだけのライヴっていうのは、自分たち的にも……たぶんオーディエンスにとっても、退屈なことだから。

ポール 僕らもそう。ライヴで正確にCDを再現するっていうことはないし、アレンジを変えて、楽器を弾くパターンを変えたりしてるね。

ジョー かといって、即興するっていうのもプレイヤーだけの満足になってしまうから。それをやっても、面白くなくなってオーディエンスを退屈させてしまうっていう。そういうところを考えてるんだよね。

中野 その辺の考え方は、僕らも全く一緒ですね。


barf 話を聞いていると、サウンドの共通点っていうよりも、志の部分での共通点が多いような気がしますよね

中野 そう、考え方が近いんですよね。

ポール ほんと、中野さんとお話して、共通点が沢山あったのが自分たちにとっても嬉しかったっていうか……ガッカリさせるようなことがなくて、ホントによかった(笑)。BOOM BOOM SATELLITESは僕らにとって、最初に観たときからずっと影響を受けている存在なので。


barf なるほどね。で、その志の高さがポップさに繋がっていく、より多くのオーディエンスを巻き込んでいく力に繋がっていくっていう――そういうことをやってるのが、両バンドなんじゃないかという。

中野 そうですね。ポップだっていう線を引かないと、ホントにルールがなくなってきちゃうんで。どうしてもエゴで出てくる音楽になってしまうから。そこら辺のバランス感覚を持ってやっていくっていうのがすごく大事だな、と。彼らと話しても改めてそれを感じましたね。

paul 僕も、言葉は違うけど、ポップという枠を超えるとメタルとかパンクとか、そういう極端なものになってしまうと思う。でも、その中でレディオヘッドみたいに毎作品ごとにどんどん自分たちの作品を進化させていきたい。そういう風になっていきたいって考えてるんだ。


barf 分かりました。では、最後にお互いへのメッセージを。まずは中野さんから。

中野 続けて欲しいですね。日本には『フジ・ロック』というよいフェスが他にもあるし、そういうところで今度また会えたら、今度はライヴを観たいです。これからもその志のまま、解散しないで続けていってほしいですね。


barf じゃあ、65dosからブンブンのメッセージは?


ジョー 面白い話をさせてもらってありがとうございました。あと……またイギリスに戻ってきてくださいね(笑)。

(2006年 8月16日/市ヶ谷にて)

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