独自のアプローチで世界の音楽シーンをリードするアルヴァ・ノトと坂本龍一によるコラボレーション・シリーズ
<V.I.R.U.S.>第5弾にして最終章となった2011年作がボーナストラック2曲を追加し、待望のリマスター・リイシュー。

2011年にリリースされた本作『Summvs』は、ドイツ人サウンドアーティスト、アルヴァ・ノトことカールステン・ニコライと、日本人音楽家・坂本龍一のコラボレーション・シリーズ<V.I.R.U.S.>(ヴァイルス)の第5弾にして最終章となった作品。タイトル『Summvs』は、ラテン語の「summa」(英語 「sum」 = 合計、和)と「versus」(英語「towards」 = ~に向かって)に由来し、本作が2人のコラボレーションの成果を志向していることのメタファーとなっている。
 
この印象派のような雰囲気を持つコラボレーション・プロジェクトで、世代の異なる2人は、新しい音楽構造のインスピレーションの源としてエレクトロニック・ミュージックのアイデアを共有し、『Vrioon』(2002)、『Insen』(2005)、『Revep』(2006)、『Utp_』(2009)、『Summvs』(2011)のシリーズ5作品を通して、電子音とアコースティック・サウンドを融合させながら、表情の豊かさ、呼吸、精密な設計を兼ね備えた瞑想的な音の世界を探求をした。(<V.I.R.U.S.>の名前はシリーズ5枚のアルバムの頭文字から構成されている。)
 
本作には、16分音まで鳴らせる調律のピアノ(Piano Metamorfoseador Carrillo en Dieciseisavos de Tono)を用いた楽曲「Microon」や、ブライアン・イーノがクラウトロックの最高峰<クラスター>のディーター・メビウスとハンス=ヨアヒム・ローデリウスと共に作曲した1977年作「By This River」のカバー曲2ヴァージョンなど全12曲が収録されており、坂本の心に響くピアノのアレンジとノトのデジタル・リズムが融合した、瞑想的であると同時に聴くものを惹きつけてやまない音のオーラを醸し出している。
 
再発盤のボーナストラックとして「Monomom」(2021年12月デジタル配信のみでリリース)と「Kizuna」の2曲を新たに収録。両曲は共に、2人が2019年に行ったオーストラリア・ツアーのライブ・レコーディングアルバム「TWO Live at Sydney Opera House」(2019年)に収録されていた同名楽曲のスタジオ録音ヴァージョンである。「Kizuna」は日本語の「絆」の意で、2011年1月に日本で発表されたイタリアの現代美術家ヴァレリオ・ベッルーティによるアニメーション作品のタイトルに由来している。 『V.I.R.U.S.』シリーズの全5枚のアルバム『Vrioon』、『Insen』、『Revep』、『Utp_』、『Summvs』は、Calyx Masteringによるリマスタリングを施し、ボーナストラックを追加し(※Utp_(reMASTER)はボーナストラックなし)、2022年にアルヴァ・ノトのレーベルより再発されている。
 
再発盤のCDパッケージは縦18cm x 横12.5cmの特殊サイズ紙ジャケ仕様。

 

Track list :
1. Microon I
2. Reverso
3. Halo
4. Microon II
5. Pionier IOO
6. Ionoscan
7. By This River
8. Naono
9. Microon III
10. By This River – Phantom
11. Monomom (*Bonus Track)
12. Kizuna (*Bonus Track)

 

 

 

Alva Noto & Ryuichi Sakamoto

アルヴァ・ノト & 坂本龍一