孤高の詩人soso、歴史的名作『Tenth Street and Clarence』期の音源をリメイクした、過去と現在と未来とをつなぐ初のインスト作品。

先鋭的でオリジナルなセンスによって世界を驚かせてきたカナダのアーティストsoso。ヒップホップというジャンルの可能性を拡張した傑作2ndアルバム『tenth street and clarence』(05年作)。ヒップホップ・マナーをあえて遠ざけ、ポストロック的なアプローチによって、誰もがいい意味で期待を裏切られた意欲的な3rdアルバム『tinfoil on the window』(07年作)。そして待望の最新作は、長年の共作者DJ Kutdownとのコラボレーションによる初めてのインスト・アルバムとなった。

彼とDJ Kutdownとの出会いはsosoがプロデュースした2003年リリースのEpicのEP『Heater in My Truck』までさかのぼる。その後しばらく経ってふたりのコラボレーションによるインストゥルメンタル・プロジェクトがスタートし、このアルバムの基盤となる音源はできていたものの、諸々の事情により何年間かはお蔵入りとなっていた。そしておよそ3年越しに完成を迎えた本作は、sosoがサンプリングによるメロディーのアレンジを、DJ Kutdownがドラム・シークエンスを分担し作られている。

本作におけるサンプリングの妙はsoso独特のポエトリー・ライムの不在を感じさせないほどリリカルで美しく、聴く者の想像力をかき立てる。まるでカナダの極寒の冬の大自然を表現したような寂寥感あふれるセンチメントと雅びさ、そして残酷さ。印象的なアルバム・タイトルはJD Walkerの曲の一節からとられており、sosoの言葉を借りると、このタイトルには希望、期待、想像、そして混乱、落胆、承認というような意味がこめられている。

 
Tracks:
01. all ties cast off
02. hand over fist
03. like old folks like rain
04. under the yoke
05. knots and lumps
06. for anything I know
07. and all good things