広く深い世界の片隅のさらに深奥で密かに守られてきた宝物のような音楽
ニルス・フラーム、ピーター・ブロデリックとの出会いをきっかけに生まれた名作が再発

歌声から「静寂」が聞こえるオランダ人シンガー・ソングライター、シャンタル・アクダ。スリーピングドッグ名義の2008年の名作『Polar Life』再発につづき、本名名義ではじめてリリースした2013年の1stアルバム『Let Your Hands Be My Guide』が再発。
 
彼女の長年の友人で、当時エフタークラングのサポート・メンバーとして活動し、作曲家やソロ・アーティストとして活躍するピーター・ブロデリック、ルー・リードやトム・ウェイツなどとの仕事で知られるニューヨークのマルチ・インストゥルメンタリスト、シャザード・イズマイリー、スリーピングドッグ時代のライヴでサポート・チェリストを務めていた元ムームのギーザ・ヴァルティスドッティル、そして当時新進気鋭でいまやスターの地位にまで登りつめたドイツ人ピアニスト/作曲家のニルス・フラームという4名の仲間たちとともに作り上げた”真のデビュー・ソロ・アルバム”。
 
もともとソロ・プロジェクトとしてはじまり、のちにアダム・ブライアンバウム・ウィルツィー(スターズ・オブ・ザ・リッド/ア・ウイングド・ヴィクトリー・フォー・ザ・サルン)とのデュオ編成となったスリーピングドッグに行き詰まりを感じていた彼女の独り立ちを強く後押ししたのはニルス・フラームでした。その彼が所有するベルリンのダートン・スタジオでレコーディング。ニルスはレコーディングの他、ミックスも担当し、この作品ではほぼプロデューサー的な立ち位置をとっていました。
 
「あなたの手でわたしを導いて」と名付けられたこの作品は、数年前にガンで亡くなった父のことを想ったものです。さまざまなものを彼女に与え、彼女の手をつなぎ、彼女に触れる父の手は自分の人生にとって、とても大切なものだったと彼女は語りました。その想いは主に「Arms Up High」という稀代の名曲で歌われています。優秀なヴォーカリストでもあるピーター・ブロデリックとのデュエットによる極めて感動的な1曲です。アコースティックとエレクトロニックのバランスがとても繊細なアレンジと手練れたちによる確たる演奏がシャンタル・アクダの歌声を真に輝かせた、ぬくもりとやさしさに満ちたフォーク作品。
 
MachinefabriekことRutger Zuyderveltデザインによる新装アートワーク(紙ジャケット仕様)。またボーナストラックとして、当時レコーディングされたものの、アルバムには収録されなかった「You Live Inside My Heart」を収録。
 
 
<トラックリスト>
1. Jason
2. We Will, We Must
3. My Night
4. Own Time
5. Arms Up High (feat. Peter Broderick)
6. Lost
7. Backdrops
8. Wintercoat
9. We Must Hold On
10. You Live Inside My Heart (Bonus track)