いびつで不思議、だけどあたたかなまるみを帯びている。誰も知らないアンビエント・ポップアート!

歌もの・エレクトロニカ・ポストクラシカル、それぞれが別ジャンルのソロアーティストとしてデビューし活躍してきた3人、高山奈帆子・北航平・ミムラシンゴが『coconoe(ココノエ)』を結成。
他に類を見ない瑞々しいサウンドで新ジャンルを確立!1stアルバム『或る日のhalo』をリリース。
 
グラスが揺れる、猫が喉を鳴らす、鉛筆が紙を滑る…、ピアノ・ベース・パーカッション・チェロ・アレイムビラ(日本に数台の珍しい楽器)等の生楽器に加えcoconoeの音楽を彩るのは、彼らの日常の中から掬い取られた音のカケラたち。例えば『猫のレガート』は、メンバーの飼っている愛猫のゴロゴロ鳴く声から始まる。オルガンやシンセのように聞こえる音も、声などを素材に手作り、ピアノは弦の部分を直接爪弾くなど、あらゆる手法で音色を追求。ひとつひとつ丁寧に織り込まれた、ノイズも含む有機的なそれらの音は、一見シックなアンビエントサウンドに遊び心と生命力を与え、聴く者をワクワクさせてくれる。それと同時に、静かな暮らしの中にある、とてもパーソナルで大切なものに潜っていくような感覚も覚える。『12ページ』ではリビングに吹き込む柔らかい風の息遣いを、『或る日のhalo』では昔大事な人と見た空を、思い出さずにはいられない。『神様が宿る木』では、じっと自分の中に沈んで、こころの奥底を見つめていたらそこには、ずっと遠くの宇宙が広がっていることに気がつく。全曲を通して、生き物の如く転がるリズムと漂うイノセントな歌声、心なぞる旋律と不思議なハーモニー、全てが抽象画のように調和していく。こうして描かれたサウンドと日本語の詞の世界は、優しく、切なく、どこか素朴で、地上に立つ人間の営みと広大な宇宙に存在する「何か」を結んでいるかのよう。日々の暮らしの尊さが作品に込められている。
 
プロドラマーとして培った卓越したリズム感性と叙情的なメロディで、エレクトロニカの新境地を開拓してきた北航平。美しいピアノの旋律・得意の弦楽アレンジを生かした、心地よいノイズを含む静かに熱い楽曲を生み出すポストクラシカルの新星、ミムラシンゴ。二人の間を行き来し、確かな技術と子供のような自由さで塗り重ねられた独特なトラック。そして、否応なく胸の奥に届いてしまう声と歌詞で上質なポップスを世に送り出してきた高山奈帆子の、柔らかいけど確かな輪郭を持つ“歌”。それらがcoconoeにより一層確かな個性となっている。音楽と丁寧に生きることを重ねてきた彼らにしか出せない音がそこにある。
青葉市子、クラムボン、オーラヴル・アルナルズ、ニルス・フラーム、メレディス・モンクなどのリスナーにも響くであろう新ジャンル。
 
 
1. 或る日のhalo – A Halo of Light One Day
2. 星者の行進 – Universal Beings on Parade
3. 誰もいないサーカス – Ghost Circus
4. 神様が宿る木 – Tree for a God
5. 12ページ – Twelve Pages
6. 遠く、遠く、遠く – Girl Beneath The North Star
7. 蜘蛛の糸 – The Spider’s Thread
8. 猫のレガート – Cat Legato
9. 天鵞絨の森の奥 – Deep in Velvet Forest