ひそひそ話のような、ピアニストとピアノの親密な対話
ゴールドムンドやニルス・フラームの名作をおもわせる慎み深い静寂の美

ライブラリー・テープスことデヴィッド・ヴェングレンと、クニング・ディスクのマティアス・ニルセンによって2015年に設立された、スウェーデン発ポスト・クラシカル専門レーベル1631 Recordings。デジタルを中心に発足から半年ですでに20作以上リリースし、非常に活発な動きをみせていますが、1631 Recordingsが新たに送り出すのが、フランスから現れたピアニスト、ジュリアン・マルシャル。
 
フランスのボルドーを拠点にする1985年生まれのピアニストが2015年にセルフ・リリースした1stアルバム『Insight』(デジタル配信のみ)につづくシリーズ第2弾『Insight II』。ザウターの名品アップライト・ピアノと静かに対話するようにして録音された本作は、ピアニストの語りかけに反応するピアノという生き物を注意深く捉えようと試みていみます。ペダルが軋む音までを音響的装飾として使い、ピアノがもつ機微に光を当てるために特に録音にはこだわりました。
 
ダンパー・ペダルを多用した、穏やかさのなかに気品を感じさせるメロディーと繊細なタッチは、ゴールドムンドの『Corduroy Road』とニルス・フラームの『Wintermusik』というふたつの名作のように、奥ゆかしくも慎み深いソロ・ピアノ作品です。「物事の本質を見抜くこと」というタイトルのとおり、心の内面をスケッチしたインティメートな美は、風薫る季節が永遠につづくようでもあります。
 
国内流通盤のみボーナストラック1曲のダウンロード・コードつき。

 

 

Track listing:
1. Insight XIV
2. Insight XV
3. Insight XVI
4. Insight XVII
5. Insight XVIII
6. Insight XIX
7. Insight XX
8. Insight XXI
9. Insight XXII
10. Insight XXIII