Dalot – Mutogibito

n5MD
MD246
CD

1,580円+税

 
ギリシャ人女性アーティストDalotことMaria Papadomanolakiの2年半ぶりとなるニュー・アルバム。ホルヘ・ルイス・ボルヘスがかつて、架空の作家がセルバンテスの『ドン・キホーテ』になりきり全く一字一句同じ作品を書こうとした、という設定のもとで書いた小説とよく似た試みを本作で行なっています。つまり、Labradford的なエクスペリメンタルな1st、Stars of the Lid的な長尺のオーケストラルな作曲が並ぶ2ndなど、アンビエント〜ポスト・ロックの様々なサウンドを作り上げてきた彼女が最初にリリースしたEP『Flight Sessions』の頃のサウンドに立ち返ること。おそらく現代のアーティストなら避けるかもしれない、90年代のポストロックの公式パターンにあえて向き合うというシニカルさ、しかし、本作はこれまでの作品と比べ、メランコリックさが薄れ、もっとも明るいものとなっています。ボルヘスのメタ小説のような批評性を持ったエレクトロニカ〜ポスト・ロック作品と言えるでしょう。