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01/24 UP!



gnomonsong

 盛り上がりを見せるフリーフォークシーンのなかでもDevendra Banhartとのスプリットアルバムをリリースするなど、注目すべきアーティストの一人Jana Hunter、彼女の次なるアルバムは、Devendraと、彼との親交も深いサンフランシスコのフォークバンド"Vetiver"のAndy Cabic、そしてアメリカのディストリビュータ−"Revolver USA"が共同で始めたレーベル、"Gnomonsong"の第一弾アーティストとしてリリース。熱病に冒された少女の夢の中でなっているかのような音楽。虚ろで朦朧としながらも、どこか覚醒的にとぎすまされている。全編に聴かれるのは、拙いとも思えるほどシンプルなカントリースタイルのギターによるバッキングに、ときに不気味にときに美しく重なるコーラスやチープなバイオリンが申し訳程度に重なる程度で限りなく余計なものをそぎ落とされたアレンジになっている。そしてその反面、意外にも多用されるボーカルのエフェクトはかなり異様なかかり具合でそのバランス感覚は、なんとも言えず気持ち悪い、気持ち悪いのだけど、これが各楽器の音程の微妙さと相まって、40度近い熱が出た時の、頭がぼーっとしてぶっ倒れそうなのに、ちょっとあの世が見えそうな気持ち良さという様な苦しくも甘美で官能的な感覚を醸し出す。かなり私感になるが、そういうアンバランスなアレンジや、一度に成らされる音の数の少なさ、バラバラな音質などを考えると、彼女にとって歌を歌うことが第一であり、アレンジ、その他は二の次、乱暴な言い方をすれば実はどうでもいい事なのではとまで思わせる。時に優しく、ときに投げやりなまでにぶっきらぼうに歌われる彼女の歌からは、むき出し故の脆さと、さらけ出してしまったが故の力強さが見え隠れする。そしてその歌は別に誰に向けられたものでも無い。彼女は歌いたいから歌うのだ。全13曲、決してまとまりのあるアルバムという分けでも無く、ドラマチックに何かを演出してくれるわけでもない、しかし地味ながらも、どれも実にメロディラインが美しく、とにかく歌声がかっこいい、美しいとか繊細とかって言うより、すごくかっこいいのだ。好き嫌いはあるかもしれないけど、そっと傍らに寄り添うような作品だと思う。そんなただ淡々と歌われる彼女の歌を静かに聴くことにしよう。(ユキシュンスケ)



01/16 UP!



spekk
http://www.spekk.net/

 frank bretschneiderに『aerial riverseries』という作品がある。whatness4番目のリリースとなったこの2002年作は、正確に言うと、タイトルに続いて「frank bretschneider onolafur eliasson」とあるように、コンテンポラリー・アーティストolafur eliassonが撮った『riverseries』にbretschneiderが音をつけた、という体裁になっている。こうした趣旨の作品を企てそれを「aerial」、すなわち「幻影」と呼んだ/詠んだところに、オーディオギャラリーの看板を掲げるwhatnessの面目躍如たるものがある。本当言うと、写真の全てが鳥瞰によるものなので、タイトルは「aerial photograhy(=航空写真)」のモジリとみる方が妥当だろうし、それだけで充分ウィッティなアイデアだと思うが、作品の秀逸さゆえ、ひとかたならぬ含みがありそうで想像を膨らませてしまうのである。当然whatnessらしい装丁が強力にこの優れた試みに精彩を付加しているから、もっと正確に、スリーヴデザインがmarkus weisbeckによる事にだって触れたいというか併記したくなる。この見方に則って、音楽をlevelが、写真をmaura wallaceが、パッケージをmondiiが、それぞれ手がけたオーディオギャラリーであると言いたい、本作はそういう作品である。もしlevelが、アートワークに使用されたmauraの『ice series』という作品に音をつけたのであれば、話の展開的にキレイだがそこは定かでない。しかし、音と写真とどちらが先にあったにせよ、あるいは各々独立したものであるとしても、二つは深く連関するように思われる。このmauraという人は、クレジットから察するとlevelの近しい人であるようで、ネットで検索する限り知られたアーティストではないようだが、そうと思えないほどここで目にできる『ice series』は良い。この写真群に想を得て、ひとはlevelのサウンドから、氷を反射/透過し輝きや色を放つ光の存在を知るかもしれない。大氷河の瓦解を聴くかもしれない。教会を満たす厳かな響きに包まれるひともいるだろう。こうしたイメージはなにか詩的なものに思われもするが、少し違う。spekkのサイトで閲覧できる自身の解説で、彼は「エーテル」という言葉を使っている。この語には幾つか意味があるが、「真空」というものが信じられていなかった時代には、大気を満たし光を伝達すると考えられた物質の名であった。本作に感じるのは、エーテルのようなものの飽和である。whatnessのモジリに倣って「aerial beauty(=夢幻の美)」とでも名づけたくなるような「存在」を、ひとは幻視するだろう。全くもって素晴らしい。ちなみに『beauty』はeliassonの1993年作。これも出品された「olafur eliasson: your light shadow(オラファー エリアソン 影の光)」展が現在原美術館にて開催されている。会期は一ヶ月延長され、3/5まで。(中澤始)



SIN
HUE LABEL A&R
p*dis BUYER
中澤始
音楽ライター。
見切り発車でフリーに。見切り過ぎだよトホホ…。
書きます。仕事ください。
本多千鶴
1974年生まれ、山形県出身。音楽ライターを志す栄養士。
「KITTEN」「ミュージクマガジン」誌などで書いています。
小野寺徹
音楽ライター。時折MM誌にレビューを書いてます。理屈よりも音で伝わるような音楽を言葉で伝えるのに苦心しています。
TH
1975年千葉県生まれ、杉並区在住 メールはこちら
オオキサエリ
1983年生まれ 
東京都在住
インディーズレーベルでのアルバイト経験有
音楽ライターを目指して頑張っています!HP→
畠山地平
電子音楽ユニットvalyushkaとソロで音楽活動をしている。
その他現在はライブイベント、「radical mute geek」の運営等。HP→
筒井真佐人
駆け出しライター。traksyなどでもライター活動をしている。Dance and Media Japanでmax/mspのワークショップを行なう。またレーベル「ONZO」にも所属し、パフォーマンスイベントの主催など行なう。
高橋潤
kitten、MAG FOR EARS等に書かせてもらっています。
http://d.hatena.ne.jp/zu-hause/
ユキシュンスケ
バンド、ソロにて都内で音楽活動をしています。
ときに映像の音楽なども手がけながら精力的に活動中。
その他、ライブイベント「childlike tree」の運営など。
http://yukai.jp/~nowhere/
大崎暢平
hueレーベル専属レビュワー。お叱りのメールはhueではなく、こちらへ。
mondii
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