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07/13 UP!



apestaartje
http://www.staartje.com/

 森を流れる緩やかな川の水の中、外からでは見えないその中で、目の前や頭の後ろを魚達がすっと泳ぎ回りカニは耳元でかさかさと物音をたてるすこし離れたところでは川の藻がやさしく漂っている。無重力な空間を満たすのは有機的な音の数々。
 apestaartjeレーベルを共同で運営するBrendon AndereggとKoen Holtkampによるデュオ、"mountains"が1年ぶりに新作をリリース。前作「mountains」は全体に浸透するかのように流れる持続音(ドローン)をベースに、音数を限りなく抑えたギターやグリッチ音、フィールドレコーディングされたサンプルなどが重なる、穏やかで物静かな、すばらしく優雅な作品でした。今作「sewn」は前作よりも具体的というか、もうすこし進行感と緩急のある曲調になったような印象、前作では長尺な曲が4曲というなかなか壮大な構成だったけど、今作では短めの曲がいくつもならび、前作同様、緩やかでアンビエントな雰囲気はそのままに、使用楽器もハーモニカ、アコースティックギター、アコーディオン、シンセサイザー、フィールドレコーディング、などとバラエティに富み、音楽的にもより深みと広がりを感じる作品に。
 そして特筆すべきなのは、音響的な面で、神経質なほどに考え込まれたであろう奥行きのある音の配置や、音色。バイノーラル録音されたサンプルがとても気持ちが良く、驚くほどに立体的な音響を聴くことが出来ます。バイノーラル録音という通常とは特殊な録音方法、マイクを用いて、より人間の耳で聞いた音に近い録音が出来る方法で、こそばゆいくらいに自分の頭の上や前、後ろに回り込む音の景色を是非ヘッドフォンなどで聴いてみてほしいところです。この手の音楽を聴くとどうしてもhapnaの"tape"を連想してしまうのですが、今作はとくにその"tape"の影響を色濃く感じさせる内容ながら、決して二番煎じに甘んじることなく、完成度の高い作品になっていると思います。ここのところ、"tape"を筆頭にアコギ、鍵盤ハーモニカ、フィールド、エレクトニクスなど似たような音を出すユニットが無数にいたような気がしますが、「またかよ」と思う前にじっくり聴いてみれば、そこにはなにか新しい発見や、進化が見られるかもしれません。tapeがこの手の言ってみれば(ポスト)エレクトロアコースティックな音楽の一つの代名詞だとすれば、どうしたって彼ら"mountains"もそこに置いておかないとなりません。(ユキシュンスケ)

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