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03/14 UP!



plop
http://www.inpartmaint.com/plop/

 ≪その本を探しに、近所の図書館に行った。奥まった小説コーナーは、まるで世界から忘れ去られたように静まり返っていた。文庫版は一冊もない。僕が来る間際に申し合わせたみたいに、ハードカバーも第2部だけ抜けている。再読するのを諦めて、アルバムタイトルの事だけでも確認しようと残された二冊を手にとったけれど、第1部にも第3部にも「遠くの街の風景」という章題を見つける事はできなかった。ネット検索も駄目だった。何ものかによって、僕がそれを確かめる事が妨げられているようだった。どこか僕の関知しない場所で僕と違う法則で動く、なにか大きな存在によって。途方に暮れ、第3部の隣のブロンズ色の背に手をかけカウンターへ向かった。≫……ダメ?
 本作は村上春樹の『ねじまき鳥クロニクル』にインスパイアされたのだそうだ。村上春樹と言えば喋るに事欠かない作家なワケである。一時期没入したし、長い論文からちょっとした比較から、彼と音楽作品とを絡めて課題でもない文章を幾つも書いたし、cut誌で吉本隆明の『ねじまき〜』書評を読んで、「この爺さんが呆けたっていう人いるけど文面白いじゃん」と思っていた事もそう言えばあったなあ。ただ最近めっきりご無沙汰してて、上の文があの妙味をマネできているのかどうかもよく分からない。借りて帰ったブロンズカバーの2004年作アフターダーク」の、頑なに観察者の位置から動かない現在形の文章は、また違った感触を与える。
 「インスパイア」という言葉は便利だが意味するところは幅広い。例えば、以前よく読んだある女流作家はワーグナーの音楽を聴いた体験が自分の小説だと公言していたし、卑近なところではこうしたレビューだって音楽作品にインスパイアされたものだ。対象との距離は様々で、素材/モチーフかも、リスペクトの表明かも、影響されたかも、勇気づけられたのかも、しれない。rfは自らのサイトで「interpret」という言葉を使って本作を説明しているが、これとてまずは音楽であるのだから文字通りの「解釈」は見えづらい。では……と言うと、ニュアンスとしてはあの作品のサントラと言うのが妥当そうだけれど、それならそれで、マンガがアニメ化される時、原作との差異が気になるみたいな話になってなかなか難しい。村上の小説の登場人物ならば言うかもしれない――≪よくわからないな≫。≪うまく言えないけれど≫――つられて言ってみよう――≪淡くて豊潤な良作だから、バックボーンはひとまず措いて、rfの新作として味わうのがベストじゃないかな≫。(中澤始)




03/07 UP!



asthmatic kitty
http://www.asthmatickitty.com/

 どんなに音楽がアップデートされようと、されまいと、そんなのお構いなしに、こういうマイペースに自分の歌いたいことを歌うアーティストがいるもの。どうしようも無く情けない感じで、ぜんぜん冴えないんだけど。そういう奴ってなぜだかすごく気になってしまう。結局僕が歌ってほしいのは政治のことでも世界平和のことでもなくって日常に溢れるブルースなわけで勝手ながら自分を見てるみたいでとても好感をもってしまうのかな。なよなよとポップに突き抜けたメロディ、へろへろなボーカルに重なるへなへなコーラス。まったくうまいんだか下手なんだか。Casiotone for the Painfuly Aloneみたいなキチキチの打ち込みビートに。キーボード、ベース、ギター、ピアニカなどなど、バラエティに富んだ音で聴いていてとても楽しい。全体に漂うチープな雰囲気も良い。ビートルズ的といってもいいほど王道で古典的な曲展開なんだけどアレンジはちょっと変。いや変じゃないんだけど、実はとても凝ったことをすごくお気楽にこなしているみたいでなんだかすごくアンバランス、、いつもの鼻歌を「すげー凝ったアレンジにしてみました」そんな感じ。実はかなりの天才かもしれない。全体になんだかテンポも早いし、2分にも満たない曲がひしめく忙しくも楽しい小品集。いらいらしているときも、すこし悲しいときもこんな音楽を聴いたら、自然に顔が綻んでしまうなあ。そしてこんな青春のように爽やかで、甘くも切ない歌声で歌うのはどんな奴かと調べてみれば意外にもすごい髭!なんだかレトロな電子楽器(Omnichordというらしい)をこれ見よがしに抱えてる姿なんて、なんともシュールで愛らしい。たまに思い出すとつい聴きたくなってしまう、こんなアルバムに出会えてとても嬉しい。(ユキシュンスケ)



SIN
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中澤始
音楽ライター。
見切り発車でフリーに。見切り過ぎだよトホホ…。
書きます。仕事ください。
本多千鶴
1974年生まれ、山形県出身。音楽ライターを志す栄養士。
「KITTEN」「ミュージクマガジン」誌などで書いています。
小野寺徹
音楽ライター。時折MM誌にレビューを書いてます。理屈よりも音で伝わるような音楽を言葉で伝えるのに苦心しています。
TH
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オオキサエリ
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インディーズレーベルでのアルバイト経験有
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電子音楽ユニットvalyushkaとソロで音楽活動をしている。
その他現在はライブイベント、「radical mute geek」の運営等。HP→
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高橋潤
kitten、MAG FOR EARS等に書かせてもらっています。
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ユキシュンスケ
バンド、ソロにて都内で音楽活動をしています。
ときに映像の音楽なども手がけながら精力的に活動中。
その他、ライブイベント「childlike tree」の運営など。
http://yukai.jp/~nowhere/
大崎暢平
hueレーベル専属レビュワー。お叱りのメールはhueではなく、こちらへ。
mondii
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