|
mort aux vachesにtape登場ですよ!と、マジかよ!と、一緒になって喜んでくれる人はご承知かと思いますが、順序としては、まあやはりhapnaから出ている1stと2ndはまず聴いておきたいところですね。名作です。自然造型とアラベスク調シンメトリの配置が絶妙にして俊麗なデザインも素晴らしい(プラス、丸くて芯の軟らかい鉛筆で書かれた風の文字表記がね、とっても好きなんですよ)。あともちろん、優良企画賞を進呈したいcubicfabricからのリミックス盤『operette』も聴いておいた方が……という訳で、要するに全作聴けと。次のオリジナルアルバムはheadzから日本盤リリースが決定したようなので、未体験の人もこのスウェーデンの至宝に触れるチャンスでもあります、是非。彼らの良さはやっぱり風景を彫刻するような演奏にあって、ライヴペインティングのような時間芸術というかインスタレーション的だから、セッションレコーディング・シリーズであるmort aux vachesにはまさにずっぱまりの適役なんじゃないでしょうか。名物の特殊パッケージは今回も良いですが(いやーでもmitchell akiyamaの銅板は驚きました)、キモは「テープ留め」というシャレのようで、なぜか留める「テープ」を和製英語もように思っていた私は認識を新たにできました。それにしてもmort aux vaches、ちょっと調べたところでももう50作近くになる。全作レビューとか超見てぇ。全部持ってる人ってどれくらいいるんでしょう。日本なら10人くらいいそうだけどなあ。(中澤始)
オランダのラジオ局VPROでのレコーディングセッションをリリースする"Mort Aux Vaches"シリーズ、今回は2004年9月に録音されたTapeの音源。緻密に構成され、ある意味かなりポップともいえる2nd "Milieu"というより、1st "Opera"に近い、半即興的で適度な緊張感を保ちつつも、リラックスしたセッションになっている。アコースティックギターのアルペジオ、ハーモニウムによるドローンをベースに、限りなく抑制されたシンセサイザー、グロッケン、ハモンドオルガンなどの音がキラキラと瞬き、揺らめく。全6曲入りのこのアルバム、淡々と進んでいくようだが、導入としてハーモニウムによるドローンを主体にグロッケンやシンセの音が戯れるT1から、まさにTapeといった、アコギのアルペジオがとても優しいT2、T5、T6(この6曲目は格別に美しく、優しい)、音数を抑えたかなりインプロ色の強いT3、至極ミニマルにシンセによるノイズをバックにアコギが永遠と同じコードをあわせるT4など、よく聴けば、実に変化に富んでいる。Tapeの音楽は聴く側がしっかり心の波長を合わせて聴かなければいけない、心を落ち着け、静かな心で聴くと、すっとこの世界に入っていける。彼らの音楽は決して難解では無いが、聴き手をぐっとつかんで、こちらの気分を力強く引っ張っていってくれるようなものでも無い。エリックサティのピアノ曲のようにそっとそこにある、といった音楽であると思う。フォークトロニカ、エレクトロアコースティック、音響系、など言葉としてはもうすでに古くなってしまった感があるが、Tapeはそれらに乗っかった一過性のアーティストでは決して無く、それら表現方法を完全に自分達のものとして証明してくれる。もうすぐリリースされる3rdアルバム"Rideau"がとても楽しみだ。(ユキシュンスケ)
|