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1. まずはじめに自己紹介をお願いします。どのようにしてsonic piecesをはじめたのですか?
sonic piecesは実は偶然はじまったの。わたしは本当にレーベルをはじめるつもりなんてなかった。数年間ラジオをやってきて、アーティストやレーベルをやってる人たちを何人もインタビューしてきたわ。それから、ベルリンでライヴのアレンジもするようになったの。最初のライヴは2008年のはじめのことで、Nils FrahmとLibrary Tapesのライヴだった。そのとき、ライヴのプロモーションのために3インチのCD-Rを作るっていう、いいアイデアを思いついたの。だから、わたしは77枚(わたしの生まれた年の数)を作ってフリーで配ったのよ。そこに「sonicpieces 001」って書いたわ。その後、もう2枚のCD-Rを限定の特別なパッケージでリリースしたんだけど、それでもまだ真剣にレーベルを運営していこうっていうアイデアはまったくなかったのよ。このときのわたしの目的はむしろCDのためのすてきなハンドメイドのパッケージを作るってことだった。
でも、親しい友だちになったNils Frahmが、Kning Diskのためのソロ・アルバムを作って、2009年の春にPeter Broderickとのツアーを控えてたころだったんだけど、彼がわたしに言ったの。「ツアーで売るために別のレコードが欲しい、『Wintermusik』っていうタイトルのミニ・アルバムを100枚のCD-Rで作ることを考えてる」って。それで彼はわたしにパッケージを作れないか頼んだの。そのとき、わたしはすでに『Wintermusik』のことは知ってて、何度も聴いてすごく気に入ってたから、私は彼に、「これはほんとにすばらしいアルバムだから、ちゃんとしたCDにするべきだ」って言ったわ。彼が同意してくれてうれしかった。そのときかな、もっとディストリビューションとかプロモーションとか、レーベルのことをもっと真剣に考えないといけない、って思ったのは。
2. あなたはあなたの親しい友人たちの作る音楽をリリースしているように思えます。レーベルの哲学や美学はなにかありますか?
まずはじめに、わたしにとって大切なのは、その音楽がほんとにほんとに大好きだってこと。もちろん、わたしの友だちや知り合いと仕事をすることもとてもすてきだけどね。わたしがいっしょに仕事をしているアーティストのほとんどはベルリンに住んでるから、彼らに直接会って話をすることができるのは絶対にすばらしいことだわ。時々、それで物事がずっとかんたんになることもあると思う。いままでにリリースしたものは主に、彼らに会って、彼らのことをよく知っていったからこそ、起こっただけだってことも言っておく必要があるわね。彼らはわたしが作るパッケージをとても気に入ってくれて、だからわたしたちはいっしょに仕事をするようになったの。アーティストたちはみんなお互いに知り合いだったり、すでにいっしょに音楽をつくってたりしたから、ちょっと家族のようなかんじでもあるかな。すでに知ってるひとたちを通じて新しいひとと知り合いになれることはほんとうにありがたいことよ。
でも、すでに知ってるひとの作品とか、友人を通じて知り合っただれかの作品をリリースしたりすることを要求されたりはしないわ。わたしはただある特定の音楽スタイルとかジャンルにとらわれたくないからね。わたしはただオープンでいたいの。もしその音楽がほんとうに好きなら、もしCDを聴いて、おわったときに何度も何度もプレイボタンを押したくなるなら、そのときはリリースもしてみたいってことなの。
3. sonic piecesの最大の特徴はハンドメイドのカバーだと思います。とても美しくて、とても手間がかかっていると思いますが・・・カバーについてくわしく教えてください。あれはじぶんで作っているのですか?作るのはどれぐらい大変ですか?
うん、ぜんぶわたし自身の手でひとりで作ってるわ。カバー作りはラジオをやってたときにはじめたの。インタビューした相手に、録音したCD-Rをプラスティック・ケースとか紙のスリーヴであげることがいいとは思えなかったから、むしろプレゼントみたいにして渡したかったよ。お店でふさわしいパッケージが見つからなくて、だからじぶんで作ることにしたの。みんなからほんとうにいい反応をもらえたから、わたしはそのカバーをもっともっと作ることにしたのよ。
もちろんすごい手間がかかる作業だし、時間もかかるけど、作るのはとても楽しいわ。子どものころから手芸をするのが好きだったしね。わたしにとってはリラックス法の一種だし、ちょっと瞑想みたいでもあるわね。それに作業しながら音楽も聴けるし。だからこれらのカバーを作るのはわたしにとって簡単。だけど、あなたはきっと我慢強くならないといけないわね。たぶん、みんなのものじゃないし。
4. 最近CDのセールスはどんどん落ち込んでいます。個性的ですばらしいアートワークを作ることはこの世界で生き抜くためのひとつの方法だと思います・・・そのことについてどう思いますか?
それは真実だと思うわ。すてきなアートワークはもっとそのCDを所有する価値があると思わせるからね。その音楽がすばらしいものである必要もあるけど。でも、もし音楽だけが必要なら、ダウンロードすればいい。一方で、今日ではよりたくさんの音楽やリリースがあって、全体的には市場に溢れすぎてるとも思うの。すべての新しいリリースをフォローして、すべてを聴けるひとなんて誰もいないし。そして、他方では、進んでCDを買うひとがどんどん少なくなっていってもいるわね。その状況が一致することはないけど、幸運にもフィジカルのCDやレコードを買うことに価値を感じる少数のひとたちがまだいることも確かね。そういうひとたちはむしろコレクターだから、特別ななにかやユニークなもの、だれもが持っているわけじゃないものや、完全なアートワークとか、集める価値があるものを欲しがるよね。だから、わたしがしていることはその市場にフィットしてると思うわ。レーベルをはじめたときはそんなこと考えたこともなかったけどね。
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5. カバーに日本の和紙を使ってるものもあるようですね。あなたの日本の印象を聞かせてください。
わたしがリリースするCDのカバーには、主に本でつかわれるリネンを使ってるわ。でも、うん、そう。和紙でカバーを作ったこともある。わたしは和紙や日本の布が好きなの。とても美しいんだけど、ここではなかなか手に入りにくいのよ。
日本から来るたくさんのものが好きだよ。たとえば日本食とか。あと全般的に日本にとても興味があるの。一度も行ったことないけど、わたしが行きたい場所リストのトップなのよ。ヨーロッパと比べるとコントラストに富んでいて、ずいぶんと違うように思えるわ。日本の風景はとても美しくて、驚くべき街や興味深い文化があると思う。でも、もちろん日本についてわたしが知ってることはぜんぶなにかで読んだり聞いたりしたものに過ぎないから、実際に行って、もっと客観的な視点で見たいと思ってるわ。
6. ベルリンであなたのオススメの場所はどこですか?
うーん、それは難しい質問ね。ベルリンのオススメの場所はひとつだけなんかじゃないから。それはよく変わるし、場所も動いていくわね。わたしはプレンツラウアー・ベルクに住んでるんだけど、去年1年でずいぶんと変わって、いまではたくさんの家族や子どもが見れるわ。わたしがベルリンに引っ越したのはもう8年以上前で、そのときはノイケルンに数週間住んだんだけど、わたしには興味のあるものがほんとうになにもなかったの。いまは新しいバーやカフェ、ギャラリーとかがほとんど毎週のようにオープンしてる。あとオーディエンスもすごく変わったわ。それはいいことだけどね。新しい場所やものを発見することも好きだから。
ベルリンでわたしが好きな場所をいくつか・・・
Ausland
非営利に運営される、エクスペリメンタル・ミュージックやパフォーマンス、アートのためのライヴ会場
Antje Oeklesund
すてきなギャラリー・スペースで、ライヴもできる。
わたしがNils Frahmとはじめて出会った場所で、彼はそのときF.S.Blummの前座だったの。わたしはほんとうに感動したから、この夜のことは一生忘れないわ。
Volksbuehne
すばらしい劇場で、コンサート会場
Lichtblick Kino
ちいさくて最高な映画館。32席しかなくて、スケジュールがとてもいいの。たくさんの映画シリーズとか、回顧作品集とか、ドキュメンタリー映画とかを上映してるわ。
Gorki Park
最高の食事とウォッカを楽しめるすばらしいロシアの場所
Prater
街でいちばんのドイツ料理を食べられるほんとうにすばらしいビア・ガーデン。
それと、すてきな公園もここにはあるわ。夏にはたくさんのすばらしい湖があるベルリン周辺の田舎には絶対に行ってみる価値があるし。あと、大事なことを言い忘れてたけど、Nilsが住んで、働いているDurton Studioに行くのが大好きなの。そこにはいつもいいヴァイブスがあって、彼のスタジオはシンプルですばらしいわ。
7. 最近のお気に入りのアルバムを5枚教えてください。
この5枚は最近出たものじゃないけど、最近、あるいはもう何年も、何度も聴いてるものばかりよ。
John Convertino: Ragland
Kreng: L'autopsie phénoménale de Dieu
Collie Ryan: The Hour Is Now
Arthur Russell: Calling out of Context
Daniel Padden: Pause for the Jet
8. sonic piecesの今後の予定を教えてください。
次のアルバムは10月を予定してるわ。普段はSvarte Greinerという名前でリリースしている、Erik Skodvinのアルバムよ。彼はノルウェーのデュオDeaf Centerの片割れで、Miasmahを運営している。sonic piecesのために作られた彼の最初のアルバムで、わたしはとても幸せだよ。彼のいつも作風とは違ってもいて、主にアコースティック・ギターとピアノで、だからわたしたちは彼の本名名義でリリースすることにしたの。
それと、ことしの秋には7インチ・シリーズのリリースを計画してるわ。「seven pieces」って名前のプロジェクトで、このシリーズではちょうど7枚のレコードをリリースする予定よ。最初の1枚はSimon Scottで、去年の秋にDurton Studioでレコーディングした2曲。主にSimonが弾くギターと歌と、Nilsのピアノによる曲よ。2枚目はSteven Broderick(Peterのお父さん)の作品で、彼が18歳のときにレコーディングした数曲が入るわ。A面にはオリジナル・ヴァージョンが入って、その曲はPeterの新しいアルバムでカバーしてるわ。そしてB面にはインストのギター作品が入る予定なの。ほかにもこのシリーズについてはいくつかアイデアがあるわ。日本ではヴァイナルがそんんなに売れないって聞いたから、最終的にはそのシリーズのコンピレーションをCDとしてリリースしようと思う。でもかなり時間がかかると思うけどね(笑)
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