<Misophone>
クラシックを学び、20以上の楽器を操るS.Herbertと、作家でもあるM.A.Welshによる、英国ブリストルのポップソング・ユニット。古いパーツを組み合わせて楽器を作りながら、長年にわたって作曲、レコーディングを重ねてきた。蓄音機のプツプツ音や動物の鳴き声、オルゴール音などを重ね、琥珀色のレトロなポップソングを作り続けている。

myspace: http://www.myspace.com/misophone




巷で大人気のレトロポップ職人、Misophone にインタビューを敢行しちゃいました!
楽器のほか、ボーカルや作詞も担当、さらに作家でもあるというM.A.Welsh が答えてくれました。


p*dis:
あなたの作品を日本のリスナーに紹介できてとても光栄です! 作品を聴いて Misophone がどんな人たちなのか気になっている人が多いようなので、インタビューを快諾していただいて、とても嬉しく思っています。早速ですが、まずはお二人について質問させてください。



Q1. マイスペースで Misophone のプロフィールを少し読んだのですが、もう少し詳しくお二人のことを教えていただけますか?

A1. 僕らについて言えることはそれ以上ないよ。



Q2. 音楽的なバックグラウンドについて聞かせてください。音楽を始めたのはいつですか?

A2. Sは、楽器やレコーディングをかなり昔からやっていて、バイオリンとピアノについてはクラシックのレッスンも受けているよ。彼が演奏できる楽器の数はどんどん増えてる。18世紀のミニピアノ、シュトローバイオリン、ハーモニウム、メロトロン、ラップスティールギター、テルミン、オートハープ、オムニコード、ダルシマー、シンギング・ソウとかね。僕はクラシックのレッスンは受けてない。聴けばわかる通りね。



Q3.
お二人はどうやって出会ったんですか? 一緒に音楽を始めたのはいつ?

A3. 7年前に会って、それからずっと一緒に曲をレコーディングしてるよ。最初に作った121曲はあまり人に言えるようなものじゃないんだ。全部4トラックだし、チープなテープ録音、ひどいサンプリングにマウス・トランペット(楽器を使わず、口だけでトランペットの音を出す)……。新しいアルバムに入ってる「Castles in The Sand」っていう曲も同じように4トラックで、6年くらい前に作った曲だよ。この曲は僕らにとって初めてのちゃんとした曲だったから、新しいアルバムに入れたかったんだ。



p*dis:では、Misophone の音楽について詳しく聴かせてください。



Q4.
どんなプロセスを辿って音楽を作っているんですか? 作曲からレコーディングまでお二人で一緒に? それともそれぞれが作ったパートを後で組み合わせるとか?

A4. 僕が歌詞を書いて、Sが曲を書いてる。歌うのは僕で、プロデュースは一緒にやってる。ノイズを加えたり、音のレイヤーを増やしたりね。ほとんどの曲はそうやって作ってきたよ。今でも全部、家で録音してる。今は新しいアルバムに取りかかっているんだけど、それには他のアーティストも参加してるんだ。Alone with King Kongっていうフランス人の作曲家/トロンボーン奏者や、Y la Bamba っていうシンガー。彼女は本当に美しい声の持ち主だよ。トロンボーンのパートはもうレコーディングしてあって、僕らがこれまでやったことないくらい大きな音なんだ。夏にはレコーディングが終わるといいけど……。



Q5.
Misophone の音楽は温かくてノスタルジックですね。聴いた人は誰もが懐かしい何かを思い出すんじゃないかと思います。私は7歳くらいのときに祖父とサーカスを観に行ったことを思い出しました。音楽的なスタイルは始めから変わっていないのでしょうか? インスピレーションはどこから?

A5. スタイルは僕らが歳をとったり、あちこち旅をしたりしていくなかで変わってきているよ。でもコアな部分は今でも同じだね。自分たちが聴きたい音を鳴らすこと。影響を受けた音楽で目立つものを挙げると、Tom Waits、Daniel Johnston、Will Oldham、Eels、初期のアメリカンフォーク……Bukowski、Moondog、Cohen、それにジプシーミュージックとか……。



Q6.
ライブはやっていますか?

A6. ライブはやったことがないんだ。僕らは同じ部屋でプレイすることは滅多にないからね。でもいつかやるかもしれない。



p*dis:では少しプライベートな質問を。



Q7.
最近聴いてる音楽は?

A7. Eels『Hombre Lobo』、Alasdair Roberts『Farewell Sorrow』、Daniel Johnston『Songs of Pain』、Gavin Bryars『Jesus' Blood Never Failed Me Yet』、Ivor Cutler「Looking for Truth with A Pin』……他にもたくさんあるよ。



Q8.
音楽を作っているとき以外は何をしていますか?

A8. 隠れてる。



Q9.
お気に入りの場所は?

A9. 山の上。どこでもない場所の中腹。雪と大きな太陽があるところ。



p*dis:最後にあと3つだけ質問させてください。



Q10.
「Misophone」ってどういう意味ですか? みんなが気になってるから教えてください!

A10. Misophoneっていうのは、僕らの古い4トラックレコーダーのピッチベンダーにつけた名前なんだ。これを使うと、どんな曲でも壊れたミュージックボックスか、古い映画のサウンドトラックみたいな音になる。レコーディングの間は繰り返し使ってたよ。その時は知らなかったんだけど、Misophoniaっていうのは、音への耐性が著しく減退してしまった状態を表す医学用語らしい。



Q11.
アルバムのアートワークやビデオがシネマティックでとてもすてきですね。音楽ともぴったり合っていると思います。アートワークやビデオは自分たちでやってるんですか?

A11. 写真や絵はレーベルが見つけてきたんだけど、欲しいイメージに関しては自分たちでもかなりこだわってるよ。Kning Disk はビクトリア朝の画像の素晴らしいアーカイブを持っているし、Another Record はフランスの風景を描いた古いポストカードを何枚か見つけてきてくれた。僕らは「失われたり、忘れられたりしていたけど、ついに発見されたもの」っていうアイデアがすごく好きで、アートワークにもこのアイデアを反映させたいと思ってた。ビデオは自分たちで作ってるよ。気に入ってもらえて嬉しいな。アートワークと音がマッチしてる、っていうのをすごく重視してるんだ。それぞれのアルバムはひとつの作品で「自分のもの」として手元に置いておく価値のあるものだから。どこかでダウンロードするよりもね。ダウンロードの普及は、経済的な理由よりも、コンセプトとしての「アルバム」が失われつつあるからじゃないかな。ものすごく残念で悲しいことだと思うよ。ロマンスは失われてしまった。少なくとも、静かに息を引き取ろうとしているんだ。



Q12.
セカンドアルバム『Be Glad You Are Only Human』のジャケットでは、男性が右手に何かを持っていますよね。これって何ですか? 変な質問ですが、でもみんな気になっていて、バットだという人もいれば、サンマだという人までいて……。

A12. バット……だと思う。



p*dis:今度こそ最後の質問です!



Q13.
Misophone の今後の予定を教えてください。日本のファンにコメントもお願いします!

A13. 実はもう次のアルバムの曲が完成してるんだ。もっと楽器を増やして、他のアーティストにも参加してもらって、これまでで一番いい作品になるはずだよ。僕らの予定は、とにかくレコーディングを続けること。聴いてくれるのが誰であろうと、曲を書き続けて、絵も描き続けて、楽器も作り続ける。それでどうなるか見てみる、って感じかな。これまでの自分たちのアルバムを誇りに思ってるし、リリースしていない初期のアルバムもたくさんあるけど、でもこれから作る音楽の方がもっといいものになると思うよ。日本のみなさんが新しいアルバムを楽しんでくれるといいな。何曲かはかなり昔の曲だけど……。もっともっと曲を作るのをすごく楽しみにしてるよ。インタビューしてくれてありがとう!