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1.まず、あなた自身の簡単な自己紹介とレーベルを始めたきっかけについて教えてください。
私はずっと他のレーベルやファンジン、ラジオショー、コンサートなどの仕事に携わってきました。けれど、その際他の人々と仕事をするにあたり、あまりに多くの妥協をせざるを得ませんでした。そこで私は、2002年末にドイツのハンブルグで自身のレーベルを立ち上げ、2003年前半に最初のリリースを行ったのです。
レーベルを運営することによって、私は個人的なアーカイブを作ろうとしています。それは日記をつけることと似ています。レーベルのリリース作品を聴いた人々は、そこから私の音楽及びビジュアルの好みを理解することができるでしょう。作品から私がどのように新しい友人(レーベルの新しいアーティスト)と出会えるかを知ることができます。
私にはレーベルを運営すること以外何もできないのです。私の人生は、立ち止まって考えることができないほど、音楽を作り、リリースすることが全てになっているのです。
2.あなたのレーベルは、活動がとてもマイペースで、リリースされる作品もとてもユニークなものが多く、興味が尽きません。レーベルを運営するにあたってのポイントなどはありますか?
レーベルを運営するということはとても個人的なことで、リスナーはどの作品がどういった形でリリースされるのかを決める過程には関与していません。
誰の作品をリリースするか、そしてそのことに関しての彼らの意見などは考えずに、私自身の判断で決定してしまいます。けれど、そういう行動をリスナーが面白いと思って興味を持ってくれることを願っています。それは、まだ私が会ったことのない人々とディスカッションを始めるようなものです。私は、私の考え(レコードをリリースすること)を人々の輪の中に投げ入れ、彼らから何らかの反応が得られることを期待しています。
3.レーベルからリリースされる作品は、アーティストは異なるのにどこか共通点があるように感じられるのです。リリースする作品を選ぶポイントなどはありますか?
私は、個々の強い芸術的ステートメントとビジョンを捜し求めています。作品によって音楽と付随するアートワークは全く異なる場合があります。しかし、それらはうまくいけば自身の中で融合し、完全な作品を築き上げてくれるのです。レーベルに関わる全てのアーティストの過去や未来も重要といえるでしょう。より長くアーティストと仕事をしていくのは面白いことだと思います。彼らがどう成長し、変化をとげていくのかを目の当たりにすることができるのですから。
私はレコードをリリースし、その何年か後に振り返ってみたときに、その全貌が現れると思っています。全てのリリースされる楽曲は、庭や森林における花や植物に似ています。それは、目にも美しく、そして他の植物にも有益であるのです。
結局のところ、今の私にはレーベルを運営していく意味が何であるのか、本当のところはわからないのです。けれど20年ほどすればわかってくるのかもしれません。
4.Dekorderの作品には、素朴な音色を奏でるアコースティックな楽器が多く使われていると感じます。あなた自身、作品の中でそういった楽器を用いたり、アナログレコーディングを行ったりと、こだわりを持っているように思います。そういった点を含めて、レーベルのコンセプトや考え方などがあれば教えてください。
これは根本的な概念ではありませんが、私は部屋や空間に広がるアナログレコーディングのシンプルな音色、自然な音がとても好きです。けれど、もしコンピューターの発明がなかったならば、私は自分自身で音楽を作り始めることはなかったでしょうし、他の人々もそうだったのではないでしょうか。こうした機材の発達によって、私はアナログとデジタルの両方を楽しむことができるのです。もちろん、コンピュターを使用する方が便利で簡単に音楽を作ることができますが、アナログの方法でしか得られないものも多くあるのです。
私は楽器を演奏する技術を持ち得ないので、私自身の作る音楽はとてもシンプルです。そういうわけで私は、単純な音楽とトーンを好みます。けれど、単純な音楽を作り出すということはとても難しいです。
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5.あなたはレーベルオーナーであるとともに、アーティストでもあります。今回、自身のレーベルからアルバムをリリースされましたが、作品のコンセプトについて教えてください。
アルバムの軸となるテーマは、過去の概念と損失の感覚を表現した、一種の偽りのノスタルジアです。私は、人々が過去にまつわるいくつかの感情をつなぎあわせて人工の空間を作り上げようとしました。それは、私の個人的感情ではなくて、むしろ知覚の抽象的な感覚です。私はこのアルバムにおいて、音楽で自分自身の感情を表現するということに興味はありません。
6.アルバムタイトルの意について教えてください。
それはRuckwartsというドイツ語とBackwardsという英語の単語からなります。それらはアルバムのテーマと楽曲が作り出された方法に言及します。
この単語には、人々が自身で見つけなければならない二つの意味が込められています。また、二つ一緒に使われるとき、二つの語はお互いの意を相殺してしまいます。
7.アルバムのアートワークは、これまでのDekorderの作品では見られないような、はっきりとしたタッチで描かれた猫ですね。作品の由来について教えてください。
アートワークは、ハンブルグのレナーテ・ニコラウスによる絵と写真、言葉によって描かれています。この猫は、数年前に他界した彼女の猫です。彼はこの作品の中で生きているのです。
8.アルバム製作中に影響を受けたアーティストや作品などはありますか?
必ずしも音楽だけに影響を受けているのではないのですが、たとえばHenry Dargerの絵画やShirley Templeの音楽、Phill Niblockのような姿勢、Alejandro Jodorowskyの映画、James G. Ballardの本、Red KrayolaやThe Melvinsの数多くの作品、そしてもちろん、何百万もの他の作品にインスピレーションを感じ作品を作っているのです。
9.好きなアーティスト、そして最近のお気に入りを教えてください。
私はとてもUltra Excema LabelのTomuntottoのLPが大好きです。それはKemialliset YstavatのJan Anderzenのソロ・プロジェクトです。それは動物の鳴き声や電子音によるシュールでフリーに流れるような音楽です。しかしそれは、魔法のような作品なのです。最近の彼のカセットでのリリース作品もとてもお薦めです。
10.今後のリリース予定を教えてください。
フィンランドのYokeharaとUnilintuによるKuupuuのLP、John Hegreの初ソロ『Colors Don’t Clash, Don’t Worry They Never Do』CDと、Black To CommのLPとCDです。
11.最後に、これからDekorderをどんなレーベルにしていきたいですか?
−基本的にはこれから10〜20年はこの活動を続けようと思っています。今のスタイルを変えるつもりはありませんが、今の活動がよい方向に進んでいけば、さらなる進歩があるかもしれません。私は音楽を聴き(作り)続けます。そうすれば、レーベルがその方法を反映していくように、私自身の生活も変わり、成長していけるのです。
12.日本のリスナーに一言お願いします。
冒険好きなリスナーでいてくれてありがとう。
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