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FEATURE


NOMAD INTERVIEW 2008

●まずはじめに、ズッキーニ・ドライヴとブルーバードとのジャパンツアーの感想をお願いします。

ジャパンツアーは最高だったよ!ぼくは日本のすべてを好きになった。ライヴに来てくれたひとたちはみんなフレンドリーで熱狂的だったね。ぼくにとっては遥か遠くの国で、自分の曲をよく知っている人たちがいるってことが非現実的なことだった。ズッキーニやブルーバードと一緒に日本でプレイできたってことも素晴らしかったよ。ヨーロッパでのツアーはいつも彼らと一緒だったから。ぼくらがみんな日本に行けたこと自体を誇りに思ってるよ。

●あなたはこの2ndアルバム『Cats and Babies』でシンガー・ソングライターへと変貌を遂げました。その音楽的変化について教えてください。1st『Lemon Tea』と比べ、あなたのソングライティング・スキルは成長していると私は思います。

『Lemon Tea』のときと比べて、このアルバムを作るのは本当に苦労したよ。初めは自分が作りたかった類の音楽について全然確信が持てなかったんだ。ぼくは新しいサウンドを作りたかった。それでとても速くてまさにロックンロールな曲を作り始めたんだけど、全然よくなくて。だからある日、作った曲を全部捨て去って、最初からはじめたんだ。反動でより柔らかなピアノソングを作ったよ。でも、いつかはまたヒップホップに戻りたいと思っているよ。

●ソングライティングの過程はどんなものでしたか?あなたは曲とリリック、どちらを先に書いたのでしょうか?また、どのようにレコーディングしたのでしょうか?

まずギターでいいメロディーを探した。それでそれに合わせて歌いはじめたんだ。存在しない言葉をただ歌っていただけだけどね。自分が歌うメロディ−に満足したら、そこでそのメロディーに歌詞をのせていく。レコーディングは自分の部屋でコンピュータを使って全部行ったよ。ぼくにとってスタジオでのレコーディングはストレスが溜まる作業だからね。

●このアルバムには何かコンセプトはありますか?歌詞には時々「home」という言葉がでてきます。私にはそれがキーワードであるように思えました。また、あなたにとって「home」とは何でしょう?

ぼくにとって「home」とは「安全でいること」かな。物事がめちゃくちゃなとき、「home」は自分たちを助けてくれる家族や友達を意味するだろうけど、このアルバムにおける「home」は成長することであり、家族から離れ、自分自身の家を作って、自分自身の家族を始めることなんだ。ぼくは27歳で、そういうことがいまのぼくにとって重要なことなんだ。

●「Brody」の続編を作ろうと思ったのはなぜですか?

ブロディーは実際に存在する誰かではなくて、架空のキャラクターなんだ。最初の曲では彼は自分の故郷を捨てたある種のヒーローだった。この続編ではぼくは彼が去ってから彼に起こったことを想像しようとしたんだ。

●歌とラップ、どちらが好きですか?

ぼくは自分が本当のラッパーだと思ったことはないよ。ぼくがやっていたことは歌とラップの中間さ。ラップすることは大好きだけど、ぼくの英語の知識は本当のラッパーになるには十分じゃないかな。たまにラップのリリックを書くけど、それをレコーディングするときには、自分の発音が十分に聞き取れなくなるんだ。

●あなたの歌声はとても独特です。「暖かい」とか「マジカル」とでも描写できると思いますが、あなたは自分の歌声についてどう思いますか?また自分の歌声が特別であると初めて思ったのはいつのことなのでしょうか?

最初に音楽をはじめたときは、ぼくはドラマーだったんだ。でもある日、MDプレイヤーを買って、それで自分の声を録音したんだ。どういうわけかその声が本当に奇妙に聞こえたんだけど、おもしろくも感じた。すぐにズッキーニ・ドライヴのトムの家に行って聞いてもらったら、とても興奮してそれですべてが始まったんだ。ぼくは自分の声は好き嫌いの分かれるものだと思うよ。

●タイトルトラックの「Cats and Babies」は他の曲とは少し違うように感じます。この曲を最後に据えたのにはなにか意図があるのでしょうか?

このアルバムはもっとエネルギッシュな曲がたくさんあるべきだと思ったのさ。他のほとんどの曲はとても静かだったからね。この曲はたったの20分で作ったよ。それ用にリリックは書いてなかったんだけど、ただ何かを歌い出しただけさ。それでなぜだか、「ネコと赤ちゃんの匂いをかぐ(I smell cats and babies)」って歌っちゃたんだ。

●アートワークはとても素晴らしいです。これはあなたが作ったものですか?また何を表現したかったのでしょうか?

うん、ぼくが作ったものだよ。ネコと赤ちゃんはぼくにとって大人の生活のシンボルなのさ。ベルギーではネコが赤ちゃんの世話をできるかどうかテストするために家でネコを飼うんだ。ぼくがアルバムを作るとき、ぼくのガールフレンドがネコを家に持って帰って来たんだ。それからぼくらが子供のことを考えるまでそんなに時間がかからないものなんだと知ったのさ。だからカバーではネコと赤ちゃんがぼくの家に入りたがっているのが分かるでしょ。ネコと赤ちゃんをとても大きく描いたのは、ぼくが大人になることや父親になることが怖かったからなんだ。なぜならそれが青春時代を捨て去るポイントだからね。

2008.10.18 interview with Ruben Kindermans



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