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Matt Elliott 「絶望の歌 三部作」の恐怖のボックスセット!

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ひさしぶりのMatt Elliott情報です。『Drinking Songs』『Failing Songs』『Howling Songs』という通称「絶望の歌 三部作」の完結から1年余り。いずれも傑作揃いだったこの三部作をまとめたボックスセットが来月リリースされます。

三部作のセッションからの7曲入り未発表曲集、その名も『Failed Songs』を加えたCD4枚組。また、ヴァイナルのボックスも同時リリースで、こちらは500枚限定でなんと12インチ7枚組セットにダウンロードクーポンまで付いて来るという豪華セットになります。コレクターズアイテムには違いないですが、アートワークがいつもすばらしいので、やはりヴァイナルのセットがほしいところ。けど、これ買うひとなんているんでしょうか・・・

『Failed Songs』に収録の未発表曲「Wedding Songs」っていうのが気になります。Matt Elliottと結婚式・・・なんという恐怖!とりあえずしあわせにはなれなさそう(笑)

ici d’ailleurs – Matt Elliott
Matt Elliott myspace

Matt Elliott参加のドリーム(aka ナイトメア)バンドThis Immortal Coil

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またまたMatt Elliottネタにおつきあいください。先生が現在所属しておられるフランスのレーベルici d’ailleursが長年温めていたプロジェクト=This Immortal Coilが今秋ついにリリースされる模様。

メンバーはMatt Elliottの他、Yaël NaimBonnie Prince BillyYann TiersenDAAUChapelier FouSylvain ChauveauChristine OttOktopusNightwoodDavid Donatienというレーベル周辺アーティストを中心とした超豪華バンドです。

このプロジェクトは上記アーティストたちによるUKの80年代のインダストリアル/エクスペリメンタル・バンドCoil(Throbbing Gristle、Psychic TVのピーター・クリストファーソンによるバンド)のトリビュート・プロジェクトです。名前からしてThis Mortal Coilのパロディですが、This Mortal Coilというユニットが作られた経緯を意識しつつ、Coilのトリビュートということもあって名付けられているようですね。

さて、Matt先生ですが、ここでは全部で4曲に参加しているようです。しかもそのうちの3曲はなんとMatt Elliott & Yann Tiersenで!つまり、Third Eye Foundationのリミックス・アルバム『i poo poo on your juju』収録の「La dispute」の名リミックスのコンビですよ!

とりあえず、myspaceでそのコンビによる「love secret domain」が聴けるので、ぜひチェックを。めちゃくちゃかっこいいですよ。リリースは10月なのでまだまだ先の話ですが、要注目です。

ちなみにmacのCM曲でブレイクしたYaël Naimがさりげなく参加しているので、それによって一般的にも注目を集めて、Matt先生の認知度も少しはあがればいいな、と思ってます。まあ、ありえないでしょうけどね。

This Immortal Coil myspace

”絶望先生” マット・エリオット

Matt Elliott – I Name This Ship The Tragedy, Bless Her & All Who Sail With Her

意外にもMatt Elliottの記事に反応が寄せられていたので、調子に乗ってまた書きます。まあ、検索したときにこのブログが上のほうに出てくるからでしょうけど。hueやliricoのことを書くより反応があるのは微妙なんですけどね(苦笑)

タイトルはぼくの兄がマット様に畏敬の念を込めて考えた彼のニックネーム(少年マガジン連載中の某マンガより)ですが、ポップでキャッチーなので、マット・エリオット普及のためにせっかくなので使わせてもらいます(笑)

さて、今回ご紹介するヴィデオはマット先生のニューアルバム『Howling Songs』に収録の「I Name This Ship The Tragedy, Bless Her & All Who Sail With Her」の弾き語り映像です。やる気のないかんじがCDよりも絶望度低めな分、まだ比較的普通に聴けます。「we’ll sail on again, it’s ours」というリフレインはCDではつらすぎて正気でいられませんから。

アルバム『Howling Songs』は彼のオフィシャルサイトで全曲試聴できるようになってます。

恐怖ヴィデオ

Matt Elliott – The Kursk

ニューアルバム入荷が待ち遠しい今日このごろ。カウントダウンという意味で、2005年の2ndアルバム『Drinking Songs』収録の「The Kursk」のヴィデオ。沈みゆく潜水艦を描いていますが、怖すぎです。間違いなく悪夢にうなされるので、観ると後悔しますよ(笑)

Matt Elliott 『Howling Songs』

Matt Elliottのニューアルバムが出ます!と言ったところで喜ぶ奇特な方は日本では20人くらいしかいないとは思いますが、日本でも有数のMatt Elliottファンだと自称するぼくですので、これは書かせてください。

というわけで、Matt Elliottの『Drinking Songs』、『Failing Songs』に続くニューアルバム『Howling Songs』が10月にリリースされます。Matt Elliottについて書くには何字あっても足りないので、以下、ぼくがp*disの受注用に書いた端的なテキストですので、参考にしてください。

third eye foundationことmatt elliottが放つ、『drinking songs』『failing songs』に続く “絶望歌の三部作”の最終章。その名も『howling songs』。UKエレクトロニック・ミュージックの象徴的存在であった彼がラップトップを捨て去り、シンガー・ソングライターとして覚醒する過程が前作『failing songs』までに刻み込まれていました。本作では強すぎる自己沈潜と自己批評の結果、絶望を通り越して、世界に対する怒りが渦巻いているかのようです。前作で聴くことができたスラブ・ミュージックをアレンジした繊細なフォークの美しいメロディーをずたずたにするディストーション・ギター・ノイズの狂気。これまでで最も内省的で悲劇的でありながらも最も凶暴で恐ろしい作品です。まるで幽霊が歌うようなmatt elliottの歌声は、恐怖とはなにかということを問いかけているかのよう。ジャケットも過去最高に恐ろしいです。ちなみに2009年にはなんとTEFが復活との情報が!?

liricoでずっとプレゼンテーションしてきた「かなしみ」を軽く通り越して、彼が歌うのは「絶望」です。共感の余地すら与えない圧倒的な感情の塊を受け止めるのはなかなか至難の業だと思います。正直なところ、オススメはできないです。気軽には聴けないですし、この作品を聴かずに済む人生のほうがずっと幸せだとすら思います。覚悟のあるひとだけ聴いてください。

「I Name This Ship The Tragedy, Bless Her & All Who Sail With Her」という深い曲名に思わず唸ります。かつて自らの人生を「sinking ship」に例えた彼ですが、ここでは私たちが生きる世界そのものを「悲劇」と名付けてしまいました。この作品で唯一不協和音の聴かれない穏やかなインスト曲に「Song For A Failed Relationship」と付けてしまう彼の批評性を理解してくれるひとはやはりあまりいないのかもしれませんね。上記のとおり、2009年にはなんとThird Eye Foundation名義のアルバム・リリースも予定されているようです。再びラップトップを手にした彼がどんなすごい音を鳴らすのか、想像しただけで恐ろしいです…。

試聴はmyspaceで。
http://www.myspace.com/mattelliotandthethirdeye

日本入荷は10月下旬予定です。

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