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Liricoニュー・リリース:Kim Janssen『Cousins』
〜アジア育ちの美しきシンガー・ソングライター〜

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4/9、Liricoよりオランダ人シンガー・ソングライター、キム・ヤンセンの5年ぶりのニュー・アルバム『Cousins』をリリースします。

2歳のときに両親のしごとの都合で東南アジアに移住。その後、タイのバンコク、カンボジアのプノンペン、ネパールのカトマンズを転々とし、16歳にオランダに戻ったという変わった経歴。デビュー・アルバムは2009年のリリースですが、作ったのは18歳のときという早熟な才能。そのデビュー作『The Truth Is, I Am Always Responsible』はとても枯れていて最初から成熟していたかのようなシンガー・ソングライターです。ザ・ブラック・アトランティックというインディー・フォーク・バンドに参加していた時期もありました。

2012年の2nd『Ancient Crime』は静かで荘厳で美しい名作。ぼくがキム・ヤンセンの音楽に出会ったのはそれよりもずっと後でしたが、東南アジア育ちというバックグラウンドを持つ美声シンガー・ソングライターということでタマス・ウェルズとの共通点を感じ取ってシンパシーを感じていました。次のアルバムが出るときはリリースしたいな、と。

そして、ようやく3rdアルバム『Cousins』が届き、縁あってリリースすることになりました。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/19683/

先行シングルでもある1曲目「Dynasty」を聴いて吹き飛ばされました。そのあまりのアンセムっぷりに驚かされましたが、アルバム全体がこれまでのアコースティック・フォーク路線からインディー・ポップへと大きく舵を切った作品です。1stからすでに成熟していましたが、それから10年近く経ってむしろ若返ったようなサウンド。どうやら前作を作ったあとから次はもっとエレクトロニックなものにしたかったようです。

前作『Ancient Crime』は11歳から15歳までのあいだネパールのカトマンズの英国寄宿学校で過ごした生活と記憶にインスパイアされたものでしたが、この作品はそれよりも前、バンコク時代の幼き日々の記憶を辿るようなスピリチュアル・ジャーニーです。おそらくLiricoの作品群を好んで聴いていただいている方々には前作以前の作風のほうがフィットしそうだとおもいますので、ぜひこの作品をきっかけにキム・ヤンセンのすてきな音楽を深くたどっていただけたら幸いです。ちなみにアートワークには東京の街の写真が使用されています。本人はまだ日本には来たことがないようですが、親日家とのこと。