hue and cry

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The Delano Orchestra『Now That You Are Free My Beloved Love』ミュージック・ヴィデオ集

NTYAFMBL, The Delano Orchestra from Alexandre Rochon on Vimeo.

他人ごととは思えないバンドというものがあるとすれば、ぼくにとってはこのThe Delano Orchestraなのかもしれません。Alexandre Rochonを中心とする、フランス、いや、ヨーロッパでいまもっとも暗いバンドです。彼らについての想いは以前こちらに書いたとおりです。

いちばん好きなバンドというわけじゃないけど、どこかほっておけないバンド。今回、最新作『Now That You Are Free My Beloved Love』に収録されている数曲のミュージック・ヴィデオが公開されたのでまとめて観てみてやはり改めてそう感じました。とても不器用でみっともなくて必死で。

なかでも上に紹介したタイトル曲「Now That You Are Free My Beloved Love」のヴィデオがとてもすばらしい。牛の出産を追った映像。ただそれだけですが、とても生々しくて美しい。The Delano Orchestraの音楽性そのものです。The Delano Orchestraの音楽は「死」のイメージが強かったので、真逆とも言える「生」の映像とこんなにもマッチしているのは驚きです。かなり生々しいのでグロテスクなものに弱いかたは注意が必要ですが、ぜひ観てもらいたい作品です。

ヴィデオはすべてAlexandre Rochon自身が作っています。その他の作品は下記のリンクでご覧いただけます。それぞれすばらしい出来です。
vimeo: Alexandre Rochon’s videos

p*dis online shop: The Delano Orchestra商品リスト

The Delano Orchestraニュー・アルバム『Now That You Are Free My beloved Love』〜生きづらいと感じる日々を送るすべてのひとへ〜

フランスのロック・バンドThe Delano Orchestraの3枚目のアルバムがリリースされ、p*dis online shopにも入荷しました。フランスでの状況は知りませんが、日本での知名度もまだまだ。これからもそう大きくは変わりませんが、個人的にはデビューからずっと彼らの動向を追ってきました。

彼らとの出会いは古く、2007年末にリリースしたhueのコンピ『once a hue, always a hue』(いま聴いてもいいコンピだ〜)に参加してもらったPastry Caseの曲にこのバンドの中心人物であるAlexandre Rochon(当時はAlex Delanoと名乗っていたと思います)がヴォーカリストとして参加していたことがきっかけです。

で、Alexのことを調べていたら、The Delano Orchestraというバンドをやっているのを知り、コンピの数ヶ月後にリリースされたデビュー・アルバム『a little girl, a little boy, and all the snails they have drawn』を聴いて、もう彼らの虜になったというわけです(このアルバムはもう廃盤みたい)。ちなみに、今回クレジットを見てたら、Alexandre Rochon (a.k.a. The Delano Orchestra)と書いてあるので、つまり、Mark Hamilton = Woodpigeonと一緒の方式ですね。でも、作品ごとに名前や設定を変えるのはやめてもらいたいと思いますけどね(笑)

2009年の2nd『Will Anyone Else Leave Me?』から1年余りでリリースされた3rd『Now That You Are Free My beloved Love』。タイトルがいつも絶妙ですが、今回は「愛する人よ、今やきみはもう自由だ」できました。基本的には前作でバンドとしてのダイナミズムに重きを置いた前作の延長線上にあると思います。本作ではギターが中心の曲が増えていますが、トランペットやチェロが入っているのが彼らのおもしろいところなので、個人的にはそこは残念でした。誰かのように普通のバンドにはなってほしくないです。

でも、結局はAlexの個性的な歌がこのバンドを成立させているので、問題はないかと。で、今回一番嬉しかったのはブックレットにリリックが入ったことです(汚い字の手書きで読みづらいけど)。改めて彼の詩世界とちゃんと向き合ってみると予想通りの暗さでうれしい。

というわけで、泣きながら歌っている(ように聴こえる)11分を越えるタイトル曲は圧巻で鳥肌がたちましたが、リリックも含めて本作の私的ベストトラックは「Dyin’ Alone」。トランペットとチェロとアコースティック・ギターとドラムのアンサンブルの慎ましやかさがとても心地いいのです(タイトル曲は聴くのがつらすぎるのです)。「ぼくはひとりで死ぬことを夢見ていた」と歌ってるけど。

彼らの音楽を聴いているとSparkele Horse、Elliott Smith・・・いまではもうここにはいない先人たちの名前がどうしても思い浮かんでしまいます。Alexandre Rochonも同じように生きづらい人生を送っていることは想像できますが、1年ごとにこうして彼の新しい音楽を聴けることをとてもありがたく噛み締めながら、この美しい作品を聴きました。

Seawater  / The Delano Orchestra

p*dis online shop : the delano orchestra - now that you are free my beloved love詳細ページ
The Delano Orchestra myspace

Kütu Folk Records (The Band) – 6 Live Songs フリー・ダウンロード

先日、sosoの『tinfoil on the window』をライセンス・リリースしたフランスのレーベルKütu Folk Records。レーベルの中心的な所属アーティストであるThe Delano Orchestra、St. Augustine、Leopold Skin、Pastry Caseが12月に行ったライヴ・レコーディングがフリー・ダウンロードできます。

1. ST. AUGUSTINE – RAINY COUNTRY
2. THE DELANO ORCHESTRA – EVERYTHING IS DONE
3. LEOPOLD SKIN – LONESOME & COLD
4. PASTRY CASE – A FISH
5. ST. AUGUSTINE – COLLIDE
6. THE DELANO ORCHESTRA – OUTRO

DLはこちらから:http://kutufolk.com/downloads.html

最近、またThe Delano Orchestraがマイブームです。ニュー・アルバムは10月だとか。楽しみ。
「How to Care」。名曲だと思うんですけど。


The Delano Orchestra – How to Care

Delano Orchestraニューアルバム

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以前、こちらでご紹介したフランスのバンドThe Delano Orchestraですが、2ndアルバム『will anyone else leave me?』が先日リリースされました。リリースは盟友Pastry Caseのレーベルkutu folk recordsから。

すばらしかった1stからよりもダイナミックさが増した印象を受けます。ただしサウンドがどんなものに変わろうともヴォーカルのDelanoのウィスパー・ヴォーカルには全く変化は見られません。彼らのmyspaceで数曲聴けるので、実際に自分の耳で確かめてください。女声コーラスが入った「How to Care」はとてもいい曲だと思います。まさにフランスのSparklehorse。

このDelanoという人はMatt Elliottとかと同じような後ろ向きさを感じるので、ぼくとしては共感が持てます(笑)リリックの内容が気になるところですが、曲のタイトルからしてネガティヴです。今回なんて、「something is gone」「everything is gone」「will i die」「endless night」とかですから・・・。

ちなみに後ろ向きで言うと前作の「kill me twice」がだいすきです。このなんとも言えない暗さとバンジョーの軽さが絶妙。2ndはちょっとバンジョーの音が少なめなのが残念かな。

The Delano Orchestra – Kill Me Twice

ちなみに、手縫いの糸による装飾をほどこした特製紙ジャケはとてもユニークで、データじゃなくてちゃんとCDとして持っておきたい一枚。p*disへの入荷は来月下旬になると思います。

The Delano Orchestra myspace

関連記事:Delano Orchestra ~繊細すぎてよく聴こえないライヴ・オン・ザ・ボート

Delano Orchestra ~繊細すぎてよく聴こえないライヴ・オン・ザ・ボート

今日ご紹介するオススメのバンドはフランスのThe Delano Orchestra。hueコンピ第2弾『Once a hue, always a hue』(企画は斬新だったが残念ながらいまいち伝わらず売れず)に参加してくれたPastry Caseの曲で歌っていたDerek Delano(現在はAlex Delanoと名乗ってる?)を中心とするバンドです。

デビュー・アルバムが今年の春ぐらいに本国で出ていました。本人から日本でディストリビューションして欲しいというリクエストをうっかり数ヶ月も放置してしまっていましたが、もうすぐ日本に入荷します。女性のウィスパー・ヴォイスはわりと好きですが、これは男性ウィスパー・ヴォイスものです。アルバムは繊細なスローコア~チェンバー・フォークとしてかなり素晴らしい出来です。上記の映像ではなぜかボートの上で演奏していますが、Delanoさんの歌声はフラジャイルすぎてよく聴こえません(笑)そこがおかしいんですけどね。子供の声がいいかんじです。というか、彼らは酔わないんでしょうかね。ところどころ音をはずしているのは揺れるからに違いない。日本だとやっぱり公園のボートでライヴをやると怒られちゃうんでしょうか?誰かぜひチャレンジしてみてください。

ちゃんとした音源はmyspaceで。

アルバムの詳細はこちら。
the delano orchestra 『a little girl, a little boy, and all the snails they have drawn』

日本でちゃんと流通されてたらフランスの大使館によるフェスティヴァルに出してもらえるという風に言っていたので、そのうち日本にもひょっこり来るかもしれないですね。興味を持ったかたはぜひCD買って上げてください。