hue and cry

Liricoニュー・リリース: Radical Face 『The Family Tree: The Leaves』〜 かなしみにまみれた汚れた血の物語の結末は〜

ついにこの作品の発売をアナウンスすることができてとてもうれしいです。そしてこの三部作すべてのリリースにたずさわることができて光栄におもっています。

ラディカル・フェイスことベン・クーパーが8年をかけて取り組んできた「The Family Tree」三部作の完結編『The Family Tree: The Leaves』が3/25についにリリースされます。

*詳細はこちらをご覧ください(今回、特に気合が入っています!):
http://www.inpartmaint.com/site/15540/

1800年代からはじまり1950年代にいたるまでの架空の家系「ノースコート家」をモチーフとし、アメリカの歴史とクーパー家自身の家系、そして自身の経験を絡め合わせたこのシリーズのうち、本作では1910年以降の時代をカバーしています。その時代に合った楽器を基本的に使用するというコンセプトでしたが、作品内時間が進んだここではより多くの楽器が投入され、これまででもっとも緻密に構築されたプロダクションや楽曲の展開はよりシネマティックになっています。ほとんどすべてをベンひとりで、彼のホームスタジオで作られていますが、最愛のパートナーであるヴィオラ・ダ・ガンバ奏者ジョシュ・リーのおおきな貢献は先行シングルの「The Road to Nowhere」ではっきりと感じることができるでしょう。

この曲は前作収録の「The Gilded Hand」とつながっている作品です。「The Gilded Hand」と呼ばれる男(これは初耳!)が経営する工場では、奇妙なふるまいをするこどもたちがそこに送り込まれます。「「The Gilded Hand」は「奇妙な血を利用して世界を変えようとしている。工場にいった多くのこどもたちは二度と戻ってこなかった」と、ベンはfaceboookに書いています。「The Road to Nowhere」は同じ工場で働く少年のことが歌われています。眠りのなかで特殊な能力を発揮する少年がある朝目覚めると、手には乾いた血があり、「The Gilded Hand」の死体を発見した彼はこどもたちを解放する…という話。タイトルのとおり、解放された彼らはしかしどこにもたどりつきません。

アルバムのなかでもっともアップテンポで繊細な美しさと激しさが絡まり合うこの曲はインパクトを与えるには十分ですが、アルバム全体はむしろより繊細なバランスで成り立っていると言えます。

今回、上記リンク先のアルバム紹介文をとても悩みながら書き上げました。本作のオリジナルのプレスシートで明かされたベンいわく”ダークで奇妙な”過去。その意図をいかにうまく伝えることができるのかと。先入観を与えすぎる恐れがあるのでここではこれ以上は書かないでおきますが、つづきはライナーノーツに書くので、アルバムを聴いたあとにぜひ読んでいただけたらとおもいます。

これから3/25の発売日までにミュージックビデオや、「The Family Tree」シリーズを網羅するスペシャルサイトも公開される予定ですので、『The Roots』『The Branches』と、先行シングル「The Road to Nowhere」を聴きながらもうしばらくだけお待ちください。

今回、国内流通盤には昨年2月の来日ツアーのなかから、東京公演のライヴレコーディング音源のダウンロードコードをおつけすることになりました。内容はこれからベンと詰めていきますが、光明寺の音源か、2公演からよりよいテイクを集めたものになる予定です。

なお、当然のようにCDのパッケージは重厚なハードカヴァーブックタイプ仕様になりますが、今回、全世界2000枚限定の初回盤のみとなり、それ以降はデジパック仕様になるとのことなので、ぜひ確実に初回盤を手にとっていただきたいです。

よろしくお願いいたします!

Tags:

コメントする