hue and cry

Liricoニュー・リリース:Nicked Drake (Gareth Dickson)『Wraiths』〜ニック・ドレイクの幽霊〜

11月に来日ツアーを行うガレス・ディクソン。ツアーに合わせてニックド・ドレイク名義の新作を10/24にLiricoからリリースします。

ヴァシュティ・バニヤンやフアナ・モリーナとの仕事で特に知られているグラスゴーのシンガーソングライター/ギタリストが数年前にひっそりと行っていたニック・ドレイクのトリビュート・プロジェクト「Nicked Drake(ニックド・ドレイク)」。本作はそのプロジェクトの待望の音源化です。実は今回のリリースはぼくがかねてより構想していて実際に去年からリリースを話していたもので、こうして形になったことをうれしく思います。

*詳細:http://www.inpartmaint.com/site/6853

彼のギター・プレイ自体はバート・ヤンシュに影響を受けていますが、ヴォーカル・スタイルはニック・ドレイクに強く影響を受けています。ニック・ドレイクとの比較は彼がじぶんの音楽を作っていくうえに避けることができないことでしたが、今回、ニックド・ドレイクとしてこの作品をリリースすることの意味を考えるととても興味深いです。

トラックリストはこんなかんじ。
1. Road
2. Free Ride
3. Parasite
4. From the Morning
5. Things behind the Sun
6. Rider on the Wheel
7. Cello Song
8. Place to Be
9. Harvest Breed
10. Fly
11. Pink Moon

『Pink Moon』収録曲を中心にセレクトされています。半分ほどの曲は今回のリリースのために新たにレコーディングしています。たとえば「Parasite」や「Harvest Breed」などはオリジナルに忠実に演奏されていますが、多くはガレス・ディクソンなりの解釈でカヴァーしています。ぼくの個人的な印象では、ニック・ドレイクよりも儚げで、まるで三途の川で演奏しているようなイメージです。

アルバム・タイトルの「Wraiths」はスコットランドの古語で「幽霊」という意味だそうで、ガレスのスコットランド人としてのルーツを表すと同時に、この作品がニック・ドレイクの音楽の幽霊のようなものだというふたつの意味が込められています。

11月の来日ツアーではもちろんニック・ドレイクの曲も歌う予定です。1974年に亡くなったニック・ドレイクが当時ライヴ活動をしていたかどうかぼくは知りませんが、もししていたとしてもそのライヴを観たことがあるひとは多くはないでしょう。

ニック・ドレイクの幽霊。

ある意味ではそれが観れる機会なのかもしれませんね。

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