hue and cry

Archive for 12月, 2017

Liricoニュー・リリース:Tamas Wells『The Plantation』

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Liricoの2017年最後のリリースは、レーベルの最重要アーティスト、タマス・ウェルズの6作目となる最新作です。
前作『On the Voalatility of the Mind』から3年半ぶりとなるアルバム。かなり無理のある制作進行スケジュールとなったのは、ちょうどいま行われている中国ツアーのスケジュールに合わせてミックス、マスタリング、アートワークが進行していたからで、Liricoとしてはいつだってタマス・ウェルズのアルバムを世界で最初にリリースしたい、というそんなある種のエゴからでしたが、結果的になんとか間に合いました。

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2012年にミャンマーからオーストラリアに戻ったタマスにとって、このアルバムは2004年のデビュー作以来はじめてオーストラリアで書かれた曲だけで構成された作品となりました。前作はオーストラリアに戻ってはじめての作品だったものの、ミャンマーで書かれた曲が半分くらいを占めたとてもパーソナルなソロ・アルバムでしたが、本作では長年タマス・ウェルズを支えてきたバンドメンバーたちがほぼ全員(アンソニー・フランシス以外)参加しています。

*詳細はこちらをご覧ください:
http://www.inpartmaint.com/site/22249/

前作では封印していたピアノとアコースティック・ギターが再び戻ってきましたが、さらに今回ドラムとベースをはじめてちゃんとしたかたちで使用。よりライヴのフィーリングを作品にもたらしたかったとのことですが、2014年のバンドセットでの来日ツアーで聴かせてくれたバンド・サウンドを確かに想起させます。バンド編成なのに極めて静かで繊細な、タマス・ウェルズならではのあの演奏を実際に観たことがある方でしたら納得していただけるでしょう。真冬のオーストラリアで作られたのに、まるでそよ風が肌をくすぐるようなぬくもりと、これまでにはなかったときめきすら感じさせる、タマス・ウェルズ史上、もっともポップな作品。そんなタマス・ウェルズの新境地は「Please Emily」を試聴してご確認ください。

アルバムのラストトラックでタイトルトラックでもある「The Plantation」はこどもの頃、実家の近くにあるマツの造林地を駆け巡った遠い記憶をテーマにしていますが、本作に漂うノスタルジーの理由をアルバムの最後に知ることになります。ポップな曲が立ち並ぶこのアルバムのなかでもっとも静かで穏やかなこの名曲は、ライヴのラストでよく演奏される定番のフェアウェル・ソング「Grace And Seraphim」のような慈しみに満ちています。

40代となってはじめて作った作品は、20代のとき以来となるバンド作品となりました。また彼のうたが日本で聴ける日を夢見ています。

Liricoウェブ購入特典として、2014年の東京・光明寺でのライヴ音源とレーベルサンプラーのダウンロード・カードをお付けいたしますので、ぜひ!
(特典はアナウンスなしに終了する可能性がございます)

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